頬ずりして抱き合うライオンと男性 長年の心温まる友情、TikTokで人気

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◆出会いの陰には悲しい過去が
 1人と1頭の出会いは、10年ほど前に遡る。サーガの両親にあたるライオンたちは、揃って家畜を襲っていたところを捕獲された。親ライオンたちは野生へ復帰させるためリハビリテーション・キャンプに隔離されたが、この期間中に3〜4匹ほどの子ライオンが生まれた。母ライオンは子ライオンたちに餌を与えないばかりか、次々に殺した。

 たった1匹が生き残った。サーガだ。グルーナーさんは引き取り、自身の家の隣にフェンスで囲われた保護区を作り、その中で献身的に面倒を見た。グルーナーさんは2015年、BBCに対し、「あの子が来てからもう3年になりますが、私はキャンプから出たことがありません」「時々、仕事のために一晩だけ町に行くことがありますが、それ以外は一緒にここにいるんです」と語っている。

 小さいながらも気が立っていた当時のサーガをなだめるのは、並大抵の苦労ではなかった。しかし、長い年月をかけ、愛情は伝わった。今では屋外に設けられたサーガのいる広いケージを開けると、両の前足をグルーナーさんの首に回し、目を細めて親愛の表情を示す。

 グルーナーさんは2021年、米NBCニュースに「とても大きなネコなのに、驚くほどおとなしいんです」と語る。「会いに行くといつも、(話題になった)あの動画のように抱きついてきます」と続け、フレンドリーで優しいサーガの性格を語っている。

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Text by 青葉やまと