アフリカ化する世界:クリエイティブセクターの可能性

ラゴス・ファッション・ウィーク(10月26日)|Sunday Alamba / AP Photo

 ニューヨーク・タイムズに10月28日、『世界はいっそうアフリカ化している(The world Is Becoming More African)』と題された記事が掲載された。アフリカ化する世界における未来の可能性とは。

◆『老いた世界と若きアフリカ』
 タイムズ紙の主席アフリカ記者であるデクラン・ウォルシュ(Declan Walsh)の記事は、『Old World, Young Africa』という大見出しが付けられている。オンラインでも公開されている長編記事だが、紙では40ページの別冊版として印刷された。文章も読みがごたえのあるものだが、写真が語る物語にも強いメッセージ性が込められている。

 アフリカ大陸における若者の人口は、ほかのどの大陸よりも速いスピードで増加している。1950年時点では、アフリカの人口は世界人口の8%だったが、2050年までには世界の4人に1人がアフリカ人となる。また、世界の若者の3分の1がアフリカ人になると推測されている。この大きな変化は、若者が揺るがす世界を比喩的に表現し、「ユースクエイク(若者の振動)」と呼ばれることもあるそうだ。近い未来の変化の兆しが、すでに世界各地で起こりつつある。

 アフリカの乳児の死亡率が2000年以降半減し、アフリカの人口のカロリー摂取が増加。アフリカ人がより健康で長生きできるようになったことは、人口増に少なからず影響している。また、教育状況も改善し、高等教育へのアクセスも改善された。インターネットの普及も若者の知識・知能レベルに貢献している。一方で、雇用不足は課題であり、一部の若者は仕事がなければお金のためにテロに加担してしまうという問題もある。さらに、世界的な気候変動は、アフリカ各地でより大きな被害を及ぼしている。洪水、旱ばつ、嵐が各地で発生している。

 しかしながら、アフリカは課題を抱え、支援を待つ受身的な存在ではもはやない。アフリカ各国政府は、単体および連合で、世界の政治経済に大きな影響力を及ぼす重要なアクターとなりつつある。そして、アフリカとアフリカ人の世界への影響力が最も如実に現れているのが、クリエイティブセクターの動きだ。

Text by MAKI NAKATA