テイラー・スウィフトがテーマの学術会議「スウィフトポジウム」、豪州で来年開催

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◆多大な影響力を持つスウィフト
 スウィフトは2004年、自身が14歳の時にソニー・グループのレコード会社と契約を結び、シンガーソングライターとしての活動を開始。以後、音楽家として成功するとともに、ポップカルチャーシーンにおいて、ファンに寄り添った親しみやすいアイコンとして存在感を発揮してきた。特にパンデミック以降、その経済的影響力が注目され「スウィフト」と「エコノミクス」を組み合わせた「スウィフトノミクス」という言葉も広まった。スウィフトノミクスの代表的な現象が、現在も開催中の大規模世界ツアー「エラス・ツアー(Eras Tour)」に関するものだ。ツアーのチケット販売が開始されると同時に、100万人以上がアクセスし、販売プラットフォームのチケットマスターのサイトがクラッシュした。その経済的影響力はチケット販売だけではない。タイムによれば、通常、コンサートチケット100ドルに対し、宿泊費、食費、交通費などに関連して約300ドルの経済効果があると推定されているが、エラスツアーに参加するファンたちは、その4〜5倍に相当する1300〜1500ドルものお金を、コスチュームやツアーグッズ、旅費に注ぎ込むという。結果、スウィフトのコンサートの開催地には、大きな経済効果がもたらされる。

 来年開催されるメルボルンでの学術会議は、彼女のエラス・ツアーのメルボルン開催日程に先駆け、その直前に開催される予定だ。本人が学術会議に参加するかどうかはわからないが、主催者側は当然彼女を招待し、スケジュール枠を設けてあるとのことだ。いずれにせよ、テイラー・スウィフトはもはや1人のポップスターという存在を超えた社会現象として、研究対象になっている。スウィフトポジウムから、どのような新たな理論やフレームワークが生まれるだろうか。オンラインでも開催予定とのことなので、ぜひ参加してみたい。

Text by MAKI NAKATA