億万長者になったホットドッグ早食い王者……巨額の報酬と深刻な健康リスク

ジョーイ・チェスナットさん|Yuki Iwamura / AP Photo

◆もはやタレント並み? 食べる競技で億万長者に
 実は早食い・大食いコンテスト出場は、儲かるビジネスになっている。チェスナットさんの場合は、昨年だけで50万ドル(約7200万円)以上を稼ぎ、総資産は400万ドル(約5億8000万円)以上とUSAトゥデイ紙が伝えている。賞金に加え、イベント出演、コマーシャル契約でも多額の収入が入ってくるという。

 チェスナットさんは2005年に初参加で3位に食い込んで以来、大会の常連となり通算16回も優勝している。ほかのホットドッグ早食い・大食い大会でも、10個の記録を樹立。さらにアップルパイやチョコレート菓子など、さまざまな食べ物の世界記録を保持している。(経済サイト『マーケット・ウォッチ』)

 もともとチェスナットさんは建設業に従事していたが、大会出場のスポンサーとなってくれる企業が見つかったことで、仕事をやめて『食べる競技』に専念することができるようになった。その後タレント事務所とマネージメント契約を結び、大企業のプロモーション契約獲得が可能になった。手にした大金で株式投資なども行い、資産を増やしているということだ。(同)

◆対価に見合わない? 健康上のリスクは深刻
 大金が稼げて魅力的に見える早食い・大食いビジネスだが、実は健康へのリスクはかなり大きいとCBSは指摘する。ネイサンズの今年の大会でチェスナットさんが食べたホットドッグの総カロリーは、1万8600カロリーで、彼の年齢と体格の男性が必要とするカロリーの6倍近くだ。脂肪やナトリウムの摂取量も過剰で、心臓病や脳卒中発症のリスクも高まる。

 そもそも、なぜこれだけ大量のホットドッグを消費できるのかという疑問がわく。普通の人なら1~1.5リットルに相当する食べ物を食べると満腹になるが、競技者は水、ソーダ、スイカ、キャベツといった低カロリーの水分や食べ物を大量に取ることで胃を広げるのだという。しかし、これを続けるには限界があり、吐き気、ガス溜まり、嘔吐、胸やけ、下痢といった大食いの副作用が生じる場合もある。さらには窒息、食道炎、胃破裂の可能性もあり、常に危険と隣り合わせのビジネスであることは間違いない。

Text by 山川 真智子