『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』などタペストリーに 仏工房が「宮崎駿の世界」を再現

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◆多くの下準備を必要とするタペストリー製作
 小説と異なりアニメなら原画をそのまま引き伸ばせば、型紙の下絵ができると考えてしまうが、実際はそういうわけにはいかないという。バラを例にキュレーターのイティエ氏は、「小さなバラを単に拡大したのでは、キャベツになるだけ」と説明する。そのため、原画を拡大しつつも、元のデザインの内包する世界を壊さぬよう、さまざまな工夫を重ねて型紙を作る必要があるのだ。もちろん、型紙完成の後は、型紙のコード化、用いる糸の素材や色の選定など、さらに多くの作業が待っている。(タペストリー会館プレスリリース

◆シリーズすべての完成は2023年末を予定
 今回展示されているのは、『もののけ姫』の場面のひとつ。深い森の中、タタリ神に受けた呪いをアシタカが泉で癒やす光景である。タペストリーのサイズは、5メートル×4.6メートルと幾分縦長だ。細かな色や陰影が見事に表された大作で、奥行きさえ感じられ、前に立つと森の中に分け入っていくような錯覚さえ覚える。


 同美術館での展示は8月27日まで。シリーズである5枚のタペストリーすべての完成は、今年の年末の予定とされている。

Text by 冠ゆき