メーガン妃へのヘイト記事が大炎上 苦情2万件超、国会議員も動く

ジェレミー・クラークソン氏|Photo by Evan Agostini / Invision / AP

◆苦情2万件超「反応は強烈だった」
 ワシントン・ポスト紙(12月20日)は、「反応は強烈だった」と報じている。イギリスのソーシャルメディアでは、クラークソン氏の名前と「vile(ひどく不快)」の単語ペアがトレンド入りするほどだったという。クラークソン氏の娘で作家のエミリー・クラークソン氏は自身のインスタグラムを更新し、父親が書いたことの「すべてに反対の立場だ」と表明した。

 このコラム記事について英放送倫理団体の独立プレス基準機構(IPSO)に苦情が殺到している。現地時間の20 日午後 5 時の時点で、2万800件以上の苦情が寄せられている。この数は、IPSOが2021年に受けた苦情の総数である1万4355 件を大きく上回っている。国会議員も動いた。党派を超えた60人以上の議員がサン紙編集長に対し、「最も強い言葉で」非難のレターを送付している。

◆人気ドラマの描写に便乗
 ワシントン・ポスト紙は、メーガン妃に関する問題の引き回しの描写について、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーンに着想を得たものだったと補足している。登場人物のサーセイ・ラニスターが罪を償うため髪を刈られ、怒る群衆の前を裸で歩かせられるという「シリーズ中でも最も痛ましいシーンの一つ」であった。

 騒動を受け、サン紙(12月19日)は問題のコラムを取り下げた。記事が公開されていたURLには現在、「しまった。むしろ失言となってしまった。メーガン妃についてのコラムで『ゲーム・オブ・スローンズ』の一場面を軽率に引用したが、これは多くの人にとって受け入れがたいことだった。多数を傷つけてしまったことに驚いており、今後はより注意を払いたい」というクラークソン氏による反省ツイートの画像が掲載されている。

 BBCの人気番組『トップ・ギア』に出演していたクラークソン氏は、2015年にも問題を起こしている。ステーキを注文できないことに腹を立て、番組プロデューサーを罵ったうえ殴り、唇から流血させた。番組の収録済み回は放送中止となり、訴訟に発展。その後和解している。

Text by 青葉やまと