ホワイトウォッシング? 大坂なおみ選手のアニメCM、海外からダメ出し

Mark Schiefelbein / AP Photo

 日清食品が大坂なおみ選手を起用したアニメの広告で、大坂選手の肌が白く描かれていたことに批判が集まり、同社は23日に問題の動画の公開を停止し、謝罪した。人種問題には厳しい欧米メディアは、「ホワイトウォッシング」だとしてこの事件を大きく取り上げ、批判の声を上げた。

◆白人が演じる他人種 ハリウッドに多い「白人化」
「ホワイトウォッシング」とは、白人化、または白人が喜ぶようにする、といった意味で、海外では人種差別に結び付けられている。ビジネスインサイダー誌は、これはアメリカの映画産業では数十年にわたって続いている問題だとし、有色人種の出演の機会を減らし、さらに彼らの人種が正しく映画で描かれるチャンスさえも奪うものだとしている。

 古いところでは、1960年代に作られた、ミュージカル「ウエスト・サイド物語」が例として上げられている。プエルトリコ系の役をロシア系アメリカ人のナタリー・ウッドとギリシャ系アメリカ人のジョージ・チャキリスが演じた。この二人のみならず、プエルトリコ系の俳優たちまで、顔の色を濃くするメイクが施されたということだ。近年の作品では、日本のアニメをもとにしたハリウッド映画『攻殻機動隊』や、ネットフリックスシリーズになった『デスノート』などが、ホワイトウォッシングの例として上げられている。

Text by 山川 真智子