バスケ期待の星・八村塁、活躍の裏に英語との格闘の日々 周りも成長ぶりを称賛

 日本バスケットボール界の期待の星、八村塁選手が、米大学バスケットボールでその存在感を高めている。現在西部の名門校、ゴンザガ大学の3年生となった八村は、スターターとして定着。203センチという体格ながら、多彩な技を持つと評価が高い。攻守ともに素晴らしいプレーを連発し、ウエストコースト・カンファレンスの週間最優秀選手や、招待トーナメント大会「マウイ・インビテーショナル」のMVPにも選出された。チームを8連勝へと導き大活躍だが、その陰には苦手だった英語の学習に取り組んだ八村の真摯な努力があると報じられている。

◆野球からバスケへ たぐいまれな身体能力
 八村は富山県出身。母親は日本人、父親はアフリカのベナン出身だ。小学生のころは野球でキャッチャーとピッチャーをやっていたが、自分の投げる球が速すぎて誰も取れなかったため辞めざるを得なかった、と本人が米アスロン・スポーツ誌に語っている。

 バスケットボールを始めたのは、中学生になってからだ。友達に誘われてあまり気乗りしないまま練習に顔を出したところ、「君ならNBAに行ける」と言うコーチにすでに入部したかのように扱われてしまったため、嫌と言えず始めてしまったのだという(同上)。

 そこで八村はメキメキと力をつけ、宮城県の明成高校に進学。数々の大会でチームの優勝に貢献し、日本のジュニア代表にも選ばれた。2014年に開催されたU-17世界選手権で日本代表としてプレーした際に、ゴンザガ大学のアシスタント・コーチにその将来性を高く評価され、高校卒業後同大学に進学した。

Text by 山川 真智子