大谷翔平選手の「二刀流」はメジャーでも可能か 現地メディアの見方は?

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 北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手に日米のプロ野球界の注目が集まる。投球・打撃ともに優れた才能を発揮する異例の「二刀流」選手に、野球ファンの視線は熱い。来季からメジャー移籍との噂も囁かれているが、現地アメリカのメディアの評判も上々のようだ。

◆大リーグでも珍しい二刀流選手として、優れた活躍
 アメリカの大手紙はこぞって大谷選手の活躍を取り上げ、著名選手になぞらえる形で賞賛している。ニューヨーク・タイムズ紙は、高校を卒業してレッズに新加入のハンター・グリーン選手(投手であり遊撃手)とブレンダン・マッケイ選手(投手・一塁手。打撃にも優れる)を貴重な二刀流選手として紹介している。通常、投手が指名打者としても才能を発揮することは難しいとした上で、22歳の大谷選手を挙げ、指名打者やピンチヒッターとして遺憾なく成果を出していると伝える。

 ESPNも15日の記事で伝説的な二刀流選手に例え、「日本のベイブ・ルースである大谷は、すでに桁外れの天才だ」と表現する。このほか『MLB.com』も67打点と防御率1.86という昨シーズンの成績を紹介している。各メディアともに、投手・野手ともにこなす偉業を取り上げている格好だ。

◆二刀流は野球の本来の姿ではない?
 大谷選手に軒並み高評価を与える各メディアだが、そもそも二刀流の是非については各メディア見解を異にする。ニューヨーク・タイムズ紙は、オールラウンダーが好まれるクリケットと違い、野球では二刀流は不適と断言する。リトルリーグならまだしも、プロの世界では専門に特化すべきだと手厳しい。貴重なピッチャーに(野手としての)怪我のリスクを負わせるべきでないとも言う。

 ESPNも二刀流に対して否定的だが、疲労が主な理由のようだ。大谷選手はルーキーの時に外野手を兼ねていたが、投打ともに最低の成績だった。投手として登板しない日にも出場すれば、肉体的な疲労は十分に回復しない。出場を続けた場合、同メディアの試算では防御率が上昇(悪化)し、シーズンを通じて選手の総合評価指標は半分程度に落ち込むこともあり得るという。

◆ファンに夢を与える二刀流
 ただし二刀流に関しては否定的な意見ばかりではない。前掲のニューヨーク・タイムズ紙の記事では、MLBネットワークの解説者であるレイノルズ氏の意見として、(リトルリーグの)12歳で専門に特化することは多くの可能性を捨てることになっていると指摘する。また、二刀流プレイヤーという存在自体が野球ファンや関係者たちを歓喜させているようだ。

 また、元二刀流選手のブルックス・キーシュニック氏は、CBS(シカゴ版)の26日の記事で、「まさにやりたかった夢の仕事だ!」とコメントしている。実際に活躍した元選手からのエールは心強い。

 気になるのは大谷選手自身の考え方だが、ESPNが過去に本人のコメントを掲載している。曰く、「他の誰もがこういったことはしていない」「どちらもやりたいという強い欲求があります」(2015年5月21日)とのことで、複数のフィールドでの活躍を楽しんでいるようだ。専念を推奨する声も知った上で、「(そういう人たちを)説得できるとは思っていない」「好きなのでやっているだけ」と、あくまで飄々としたスタンスだ。

 アメリカで数多くのスポーツ紙面を賑わす大谷選手は、2018年、メジャーに移籍する可能性が浮上している。活躍はすでに現地でも話題となっており、実現すれば、イチロー・松井選手たちのように大きな注目を浴びることは間違いなさそうだ。

Text by 青葉やまと

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