AIスタートアップを「爆買い」するビッグテックら 最も多いのは……

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◆AI買収のトレンド
 アクシオスは、さまざまな企業が今、AI企業の「爆買い」に走っていると報じる。たとえば、ソフトウェア企業のデータブリックス(Dababricks)が創業2年のAIスタートアップのモザイクML(MosaicML)を13億ドルで買収。企業向けの情報サービスを提供するトムソン・ロイターはリーガル関連のAI企業のケーステキスト(Casetext)を6.5億ドルで買収した。テック企業だけでなく、コンサルティング企業のアクセンチュアや会計監察法人のPwCなども、積極的にAI投資を行っている。

 ビッグテック企業に関しては、マイクロソフトやグーグルの動きが目立っているが、AIスタートアップ企業の買収案件においてのトップはアップルだ。アップルはAI企業を含めて自社の買収活動についてあまり大々的に発表してきていないが、調査企業CBインサイツによると、同社はこれまでに128社を買収してきた経緯がある。AI企業に関しては、自動運転関連、音声アシスタント、ビデオ解析、マシンラーニング、画像処理関連など、累計で32社を買収した。CBインサイツの記事によれば、同時期においてグーグルは21社、メタは18社、マイクロソフトは17社、アマゾンが10社を買収した。

 膨大な資金を必要とするAI開発だからこそ、必然的に大企業がその担い手となり、アップルをはじめとするビッグテックを通じて、AI技術が世の中にますます浸透していく未来が予測される。たとえばアップル製品のシームレスなインターフェイスによって、ユーザーは意識せずにAI技術の活用を加速させるだろう。ビックテックの寡占状態は、AIを共存する人類の未来にどのようなリスクと可能性をもたらすのだろうか。

Text by MAKI NAKATA