米の新卒年収600万円に 理系優勢、専攻によっては900万円超も

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◆稼げるのは理系 看護師も年収アップ
 アメリカの2020年卒で最も高給取りとなったのは、技術系の専攻者だった。平均年収が最も高かったのは、石油工学の8万7989ドル(約968万円)だ。2位以下に、コンピューター・プログラミング、コンピューター工学、情報科学、電子工学、経営科学が8万ドル台で続いた。

 NACEのリサーチ・マネージャー、アンドレア・J・コンツ氏によれば、コロナの影響や生活や仕事の場となった新しい「バーチャルな世界」での技術の必要性の高まりで、コンピューター関連の専攻が上位に食い込んだ。STEMと呼ばれる、科学・技術・工学・数学などの理系の学位は、もっとも高い投資収益率をもたらすものだと、公共政策シンクタンクのサード・ウェイは分析している(CNBC)。

 ちなみにコロナ禍を反映し、第一線で働く看護師の需要の高まりから、正看護師専攻の初年度年収も2019年から2.1%上昇。平均を超える5万8626ドル(約641万円)となった。

◆今年の卒業生も続け 収入は楽観的見通し
 NACEの冬季給与調査報告書によれば、2021年卒の初年度の平均給与は、2020年卒を超えると予測されている。やはり理系は強く、情報科学分野の卒業生の給与は例外的な高額になると見られている。上昇率は小さいものの、工学系は2番目に高給となる見込みだ。

 最も需要のある専攻と見られているのは会計学だという。平均給与予想額も昨年より10%上昇し、5万8508ドル(約639万円)となっている。2位以下は、金融・財政学、経営学、情報科学、機械工学、ロジスティクス・流通学、電気工学、情報工学、コンピューター工学と続いている。

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Text by 山川 真智子