最も高給・有利な大学の専攻は? あえてエリート校を狙わないという選択も

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 大学への進学にはまとまった額の教育費が必要となるが、その投資が将来の給与に結びつくかどうかは専攻分野が大きく影響するようだ。STEM教育と呼ばれるハイテク分野が有利であり、ときに大学のランクにはこだわらず、この分野への進学を優先することが高収入実現への近道になっている。

◆有利な「STEM」分野
 STEMとは「科学」「技術」「工学」「数学」の頭文字を取ったもので、ハイテク教育あるいはエリート教育の領域として近年注目が集まっている分野だ。CBSニュースでは、この分野で収入が高くなっているのが明白だと報じている。記事が参照する米シアトルのペイスケール社の調査では、専攻分野と卒業後の給与の関連を調べたところ、STEM分野の優位性が浮き彫りになった。具体的に最も平均収入の高い分野は石油工学専攻で、新卒で年間8万3000ドル(約950万円)を稼ぐ。

 米コンテンツ業者のバンクレート社でも、独自のランキングを発表している。失業率、過去1年間の年収などを重み付けして専攻別に分析したところ、就職・給与などの観点で最も優れた分野は保険数理学専攻という結論が出た。平均年収が10万8,658ドル(約1,242万7,000円)と高く、失業率は2.3%に留まっている。加えて、これを専攻した学生で修士号・博士号を取得した人の割合は22%と低く、つまり大多数は職を得るのにこれ以上の教育を必要としない。この専攻もSTEM分野に属するほか、上位のほかの専攻もSTEMに分類されるものが多いという結果になった。

 一方、伝統的な芸術分野に属さない「その他の芸術」の専攻は最下位で、平均年収は40,855ドル(約466万9000円)と1位の半分以下になっている。芸術分野の専攻は総じてランキングの中間より下位に分布しているという厳しい現状が明らかになった。

Text by 青葉やまと