米の新卒年収600万円に 理系優勢、専攻によっては900万円超も

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 パンデミックは失業者の増加と労働者の収入減少をもたらしたと世界的に言われている。しかしアメリカでは大学新卒者の初年度の年収は増加しており、大学の学位取得の恩恵が改めて示された。とくに理系卒業生の年収は高額になっており、専攻によっても稼ぐ力に差がついている。

◆コロナ禍でも好調 米新卒は稼げる
 1956年から大卒者の雇用に関する情報を提供している全米大学雇用者協会(NACE)の報告では、2020年卒業の大学新卒者の平均年収は、5万5260ドル(約604万円)だった。これは、2018年卒と2019年卒の初年度の平均年収をそれぞれ8.5%、2.5%上回る額となっている。報告された額は、実際の学生が大学に報告したデータに基づいた基本給で、ボーナス、歩合給、付加給付、残業代などは含まれていない。

 一方、厚生労働省の令和2年度の調査によれば、日本の大卒の初任給は平均22万6000円で、ボーナスなしで計算すると、年収は271万2000円ほどだ。社会制度の違いや生活にかかるコストも違うため単純な比較はできないが、アメリカなら新卒で日本の2倍以上稼げることになり、なんとも驚くばかりだ。

Text by 山川 真智子