「アンチに逆襲」無骨に生まれ変わったホンダ リッジライン 米メディア高評価

Ridgeline RTL-E|本田技研工業

◆機能充実 ユニークな「インベッド・トランク」も
 肝心の走りも好評だ。2021年モデルでは、すべてのグレードでAWDを標準構成とした。米モーター・ワン誌は、後輪のトルク配分機構が非常にうまく動作しており、これにより荒地での走行安定性が向上していると評価する。リア側のディファレンシャル機構に「洗練された」クラッチパックが採用されており、これがトルクを左右各輪へとスムーズに振り分ける。同誌がカリフォルニア州・モハベ砂漠でテストドライブしたところ、砂地にもかかわらず円滑に走行できたという。リッジラインは地形対応の走行モードとして、ノーマル、雪原、泥地、砂地の4モードを備える。オフロード状況では、あえてタイヤを空転させることで推進力をキープすることが求められるシーンがある。これらのモードは、そのような状況を力強くサポートするうえでも効果を発揮する。

 加えて、ピックアップ・トラック本来の用途としては、荷台部分の一工夫が光る。言うまでもなくこの種のクルマは、後部に設けた大容量の露天の荷台が売りだ。反面、屋内に収納スペースを持たないことから、雨天時には荷物の収納場所に苦慮することになる。ホンダ リッジラインはこの問題を、荷台部分に「床下収納」とでも言うべきスペースを設けることで解決した。荷台後部の床に扉が設けられており、これを持ち上げることで大型のスーツケースほどの空間が出現する。ここが全天候対応のトランクになっているわけだ。このスペースは施錠できるようになっており、防犯の面でも有利となる。「インベッド・トランク(荷台内に設けられたトランク)」と呼ばれるこのちょっとしたスペースが、実用性重視のピックアップ・トラックを探す人々に人気だ。

◆北米で販売中
 ホンダ リッジラインは2月2日からすでに、北米のホンダディーラーで販売中だ。アメリカでは「スポーツ」「RTL」「RTL-E」「ブラック・エディション」の4段階で展開する。エントリー・モデルのスポーツは284psを出力する3.5L V6エンジンを搭載し、前掲のトルク・マネジメント・システム、横方向にも下方向にも開く「デュアルアクション・テールゲート」などが備わる。上位グレードではレザー製インテリアやインフォテイメント、オーディオなどをさらに充実させた。基本価格はスポーツが3万6490ドル(約402万円、デスティネーション・チャージ別)、最上位のブラック・エディションが4万3920ドル(約484万円、同)となっている。

【関連記事】
日産タイタン、2020年モデルで飛躍なるか 現地メディア「驚くほど価値ある改良」
豪で4年連続販売1位トヨタ ハイラックス その人気の理由は?
北米で愛されるピックアップトラック 人気の理由は?

Text by 青葉やまと