「アンチに逆襲」無骨に生まれ変わったホンダ リッジライン 米メディア高評価

Ridgeline RTL-E|本田技研工業

 ホンダが北米で販売するピックアップトラック「リッジライン」に、2021年型がお目見えした。これまで評価が分かれていたデザインはたくましい顔つきに一新し、頼り甲斐のある風格を生んでいる。以前から評判の良かった機能面も前進し、シーンを問わず活躍できるピックアップ・トラックとなった。リッジライン独自の収納スペースも健在だ。

◆タフさ増したデザイン
 新デザインは、本格的なピックアップ・トラックを探し求めるユーザーを納得させることだろう。米Cネットが運営するロード・ショー誌(3月3日)は、「よりマッチョな顔といくつかの新機能で、すでに卓越していたピックアップ・トラックが前進」と述べている。実のところリッジラインが歩んだ道のりは、平坦なものではなかった。2005年にデビューした初代は先進的な機能を搭載しながらも、本来のターゲットであるピックアップの購買層には不評という結果に。2016年にはSUV「ホンダ パイロット」のデザインを取り入れた2代目に交代するが、こちらも澄ましたSUVに荷台部分を足したような意匠とあって、一部にはあざ笑う自動車ファンもいたほどだ。

 しかし、今回の2021年型ではガラリと趣向を変え、タフさを強調したフェイスに大幅リニューアルを遂げた。ロード・ショー誌は、「素晴らしいピックアップ・トラックが2021年型でさらに良くなり、否定論者が返り討ちにあう番が来た」と形勢逆転を告げる。Aピラー周りの全面改良に加え、ボンネットとノーズは高さを増し、以前よりも角ばった頑強な顔つきとなった。

 米オート・ブログ誌(3月3日)も、「タフでトラックらしい外見に」と述べ、デザイン上の方向性の変化に注目している。同誌はアメリカにおいて、いかにもピックアップ・トラック然としたモデルが一般的に好まれており、さらに外見上のタフさが求められていると分析している。新型リッジラインでは、以前優雅な曲線美を描いていたボンネットは直線的になり、グリル開口部は大きく直立に近い角度となった。無骨さとたくましさに舵を切ったルックスにより、ピックアップ・トラックを求めるユーザーの感性に訴えやすくなっている。

Text by 青葉やまと