「スイス製」を手頃な価格で世界へ 時計王国のスタートアップ「Z&K」

Zahnd & Kormann (Z&K)

 時計王国スイスには超ラグジュアリーな機械式から安価なスウォッチまで、老若男女を魅了する腕時計がそろう。スイスでもスマートウォッチの人気は高まっており、身につけている人はよく見られる。また、腕時計はつけずにスマホを持ち歩いている人もとても多い。そんなスイスでいま、機械式を安価に販売しようという興味深いブランドが登場している。

◆機械式時計の価格のリセット
 時計ジャーナリスト、ダニエル・フグ氏は、スイスの高級紙NZZのライフスタイルに特化したサイト『NZZ Bellevue』で時計をテーマに連載している。2017年にフグ氏が書いた記事「最も大切な時計のトレンド 2017年」にはここ数年のトレンドが簡潔にまとめられている。

1.機械式時計の新規性:機械式時計(メカニカルウォッチ)の可能性は尽きることがない。ムーブメントの構築に新しい材料を使ったり、新しいアプローチを試みている。

2.基本に戻る~低価格の新しい時計:有名な高級ブランドを含め、価格は下落傾向にある。多くのメーカーが軌道修正し、よりシンプルなモデル、ゴールドケースよりもスチールケース使用、そしてアイデンティティを醸し出すクラシックモデルに戻っている。自慢したいだけ、見せびらかしたいような時計は人気が落ちてしまっている。

3.ヴィンテージ時計が新しいラグジュアリー:ヴィンテージの機械式時計が人気で、継続的に価格が上昇している。機械のキャラクターをもち、時代を超えたデザイン、高品質の正真正銘の時計が人気。たとえば、オークションでは、1970年代初めのIWCアクアタイマーは約210万円、1964年の初期のオメガのスピードマスターは約580万円、1948年の保存状態の良いパテックフィリップのスチールクロノグラフは、1400万円以上、1961年のロレックスのクロノグラフは3500万円以上で売れた。

 機械式時計は維持費も高額なため、価格が下がっているのは買う側にとっては嬉しいことだ。このような状況のなか、約14万~23万円という価格帯の新しい機械式時計のブランドが登場し、注目を集めている。

Text by 岩澤 里美