日産、中国でEVの生産開始 「リーフ」技術搭載の「シルフィ ゼロ・エミッション」

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 世界最大の中国市場において、大手グローバル自動車メーカーが低価格の電気自動車(EV)を生産する波が押し寄せようとしているなか、日産初となる中国仕様のEVセダンの生産が8月27日に始まった。

 ゼネラルモーターズ(GM)やフォルクスワーゲンなどのメーカーは今年、中国消費者の嗜好や懐具合に見合うEVのセダン、ミニバン、SUVを大量投入しようとしている。日産、テスラ、GMなどは輸入車のほか中国の合弁企業と生産したEVモデルを販売しているが、市場は「比亜迪汽車」など低価格車を販売する地元メーカーに牛耳られている。

 中国政府はEVを有望な産業であり、スモッグで汚染された都市を浄化する手段とみている。政府による補助もあり中国は世界最大のEV市場となったが、政府は販売割当や厳しい燃料効率基準で自動車メーカーに負担を課している。

 日産のEV「リーフ」をベースとした「シルフィ ゼロ・エミッション」を生産したのは、日産自動車と現地合弁企業の東風汽車集団だ。

 シルフィの政府補助金適用後の販売価格は166,000人民元(約270万円)、日産と東風汽車の合弁企業、東風日産のブランド「ヴェヌーシア」で販売している中国版リーフの半額である。日産によると、シルフィは1回の充電で338km走行できるという。

 日産の西川広人CEOは、「本日生産が開始されたシルフィはEV市場における主要な存在となるのは間違いないとみている。あらゆる市場セグメントで、顧客にアピールできる様々なEVを展開していく」と述べた。

 来年から実施される販売割当により、各社はEVを販売するか、EVを販売している競合メーカーからクレジットを購入しなくてはならない。中国の消費者が求める手ごろなモデルを生産するよう圧力がかけられることになる。

 中国が昨年販売したEVは、世界のEV販売台数の半分を占めた。しかし、そのほとんどが140,000人民元(約227万円)の低価格帯から始まる中国モデルだった。販売台数世界一の自動車ブランド「比亜迪汽車」は、2018年上半期の販売台数が前年同期比倍増の71,000台になったという。

 オートモティブ・フォーサイト社の業界アナリストYale Zhang氏は「基本的に、全ての大手グローバルメーカーは模様眺めをしています。中国ではまだ、重量級のEVモデルが販売されていません」と話している。

「年末までにこの状況は変化しているでしょう。市場競争が激化し、消費者の選択肢がもっと増えます」とZhang氏は続けた。

Text by AP