「日本人は仕事の中身より形を重視」“3分中抜け”許さない労働環境、海外は辛辣

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 神戸市水道局の職員が、昼休憩の3分前に弁当の注文をするために、勤務中に席を外す「中抜け」行為を半年間に26回繰り返し、半日分の減給処分となった件について、担当者が記者会見を行い、陳謝した。この件は多くの国外主要メディアにも取り上げられたが、論調はどのようなものだったのだろうか。

◆各国メディアは揃って日本の厳しい労働環境にも言及
 アメリカのニューヨークタイムズ紙CNNのニュースサイトはともに、事のあらましに加え、NHK記者の佐戸未和さんが月間159時間もの残業の末に過労死した件、月間100時間を超える残業をする生活ののちに自殺に追い込まれた電通の高橋まつりさんが過労死認定された件などにも触れ、日本人の過剰な働き過ぎの労働文化について言及。そして、残業時間の上限を定める働き方改革法案が、高度プロフェッショナル制度(専門職の高年収者を対象外とする仕組み)を含んでいるために事態を悪化させる可能性があることを憂慮している。

                                                                                                                 

 イギリスのインデペンデント紙(6月21日付)は、他メディアの報道を参照しつつ、この謝罪会見が過労死を防ぐために月の残業時間の上限を100時間とする働き方改革法案が5月に衆議院で可決した後であったと皮肉めかした記述を加えた。また、政府の調査で、日本人労働者の5分の1が月の残業時間80時間を超え、過労死のリスクに面していること、電通の高橋まつりさんの死の件など深刻なケースが少なくなく、日本は労働文化を劇的に変える必要があるとの意見も。

◆各メディアの読者の反応は
 各記事に読者のコメント欄が設置されている。インデペンデント紙では以下のような反応が寄せられた。

「彼が無給でした時間外労働や休憩中にやらされた仕事については認識されていないんだろう? 日本では実際のパフォーマンスよりも、病気を押してでも出勤するような態度が重要視されるんだ」

「仕事もせずに、貴重な時間を、彼を見張ることに使っていた奴をクビにしてやりたい」

「机に向かっている時間と仕事ぶりは関係ないのに。日本人は上司が帰宅するまでは自分も帰らない。バカバカしい。だからオンラインゲームが流行るんだよ」

「残業の上限100時間の規制が働き過ぎへのアクションと言えるのか?」

「人生は仕事ではない。こんなコンディションで生きることは関係者全員の人間性を失わせる。日本の人たちがもうたくさんだと、自分の人生を取り戻すことを決断すれば、こんなことは終わるだろう」

 AFPの記事を引用しこの件を伝えたシンガポールのニュースチャンネル、チャンネルニュースアジアのサイトのコメント欄に寄せられた意見も辛辣であった。

「何時間オフィスにいたかではなくて、どんな仕事をしたかでしょう」

「トイレの入退出も記録すれば」

「シンガポールでは彼らは全然違うけど……日本人マネージングダイレクターが、エアコンが壊れたと言って休みの前の日に早退したり、混む前の11時半にランチに出たりするのを見ているから……」

「残業した時間は考慮されているのか。こんな馬鹿げた会社は辞めるべきだ」

「自殺の国だ」

 英語には「過労死」に当たる言葉がないため、各記事には「karoshi」と、日本語のままの単語が使用されている。日本人のSNSユーザーにこの件について失笑した者が多かったことにも触れる記事が多く、日本人自身も厳しすぎる労働環境に思うところがあることも伝えている。

Text by Tamami Persson

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