ツイッターが「ボット」アカウント一斉削除 「フォロワー消えた」と右派支持者

Ink Drop / Shutterstock.com

 2016年大統領選におけるロシア介入疑惑を捜査するロバート・モラー特別検察官が2月15日、ロシア人13人と同国企業3社を選挙介入容疑で起訴した。政治サイト『ポリティコ』の同日付報道によると、起訴されたロシア人および企業は、共和党候補のドナルド・トランプ氏陣営を支援するため、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアなどを利用して民主党候補ヒラリー・クリントン元国務長官の中傷など、多数の「フェイクニュース」を流布し、米大統領選への介入を行っていたという。

 今回の起訴により、ロシアによる米大統領選介入にソーシャルメディアが利用されたことが事実として発覚したことからか、ツイッターは20日になり突然、「ボット」と呼ばれる自動投稿プログラムを使って情報を拡散するアカウントの削除処理を行った。

                                                                                                                 

◆右派アカウントのフォロワーが突然削除
 情報サイト『デイリービースト』の21日付記事によると、ツイッターは20日夜、何の警告もなしにボットアカウントの削除処理を行い、一夜にして数千、数万におよぶアカウントが削除またはロックされたという。

 削除されたアカウントのうち多数は右派や極右主義者のアカウントをフォローしていたらしい。ツイッターの削除作業後、一挙にフォロワー数が減ったことで、翌日になり保守派の多くが怒りの声を上げた。

 保守派コメンテーターのキャンディス・オーウェンス氏は、「ツイッターが今保守派アカウントのフォロワーを追放している。私は1分間で3,000人のフォロワーを失った」とコメント。

 また極右主義者リチャード・スペンサー氏も、「過去数時間で1,000人近くのフォロワーを失った」と述べた。

 ツイッターには他にも、「#TwitterLockOut」のハッシュタグで、「ツイッターは保守派のアカウントだけを標的にした。リベラル(左派)のアカウントは無事だった」という投稿がみられたほか、在英ロシア大使館も「#TwitterLockOutでフォロワー100人を失った。しかし残った99.8%は本物だったということだ」と投稿した。

 しかし、左派のアカウントをフォローしていたボットはほとんどいなかったようだ。「フォロワーが消えたなら、それはボットだったということだ」「私は1人のフォロワーも失わなかった」という声が聞かれた。また「消えたと思ったフォロワーが、ツイッターの身元確認後に戻ってきた」という投稿もあった。
 
◆ツイッターの「新しいルール」とは
 ツイッターは20日のボット削除後、21日になりブログ上に「自動化と複数アカウントの使用について」という声明を発表。複数アカウントへの同じコンテンツの一斉ツイートや、複数アカウントでの同時「いいね」やリツイート、フォローを禁止する新ルールを明らかにした。

 今回削除されたアカウントは、これらの新しいルールに反していたため追放、または身元の確認をするまで一時的にロックされていたものと思われる。右派のフォロワーが減ったということは、それだけフォローしていた偽アカウントが多かった証明だろう。この事実からも、ツイッターの保守派利用者がいかにこれまでボットによる「偽ニュース」に惑わされていたかが分かる。

 2016年の大統領選で、大量のボットに荒らされたツイッターによる今回の突然の措置で、ロシアの「ボット製作所」は焦ったに違いない。しかし今後新たな手段を利用し、さらに複雑なボットを送り込んでくる可能性もあるはずだ。

Text by 相馬佳

Recommends