哲学者ソクラテスの有名な名言集 輝く人生のため心に刻みたい10の言葉
ソクラテスは、「生き方について考えること」の重要性を最初に説いた古代ギリシャの哲学者である。「汝自身を知れ」「無知の知」「善く生きろ」などの言葉でも知られ、数多くの名言を残した。ソクラテスはどのような想いで多くの名言を残したのだろうか。彼の歩んだ人生を振り返ってみよう。
本記事では、彼の生き方や思想が反映された名言10選を厳選して紹介する。ソクラテスの名言で、人生をさらに輝かそう。
目次
ソクラテスのプロフィール
名前 | ソクラテスまたはソークラテース (英語:Socrates 古代ギリシャ語:Σωκράτης Sōkrátēs) |
出身地 | ギリシャ共和国の首都アテナイ (現:ギリシャの首都アテネ) |
生年 | 紀元前470年頃 |
没年 | 紀元前399年 |
職業 | 哲学者 |
肩書 | 釈迦・キリスト・孔子と並び四聖人(四聖)に数えられる。 |
ソクラテスは古代ギリシャの哲学者である。「よく生きること」を求め、問答によって相手に自分の無知を自覚させ、真理の認識に導いた。
ソクラテスの有名な名言集10選|英訳・和訳付き
ソクラテスは西洋哲学の第一人者である。特に現代まで残る「西洋道徳哲学」や「道徳哲学」(どちらも現在の倫理学)の発展において大きな功績をもたらした。
ソクラテスが残した数多くの名言の中から、厳選した10個の言葉を紹介する。
ソクラテスの人生の名言
Know thyself.
訳:汝自らを知れ。
自分自身を知ることで、何かにとらわれていることで生じる焦りや比較、嫉妬などから解放されることがある。
The most important thing is not just living, but living well.
訳:一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである。
忙しい現代人には特によく響く名言である。毎日生きるだけで精一杯になっていないだろうか?ぜひとも、生産性のある日々を過ごしたいものだ。
Envy is the ulcer of the soul.
訳:ねたみとは魂の腐敗である。
ねたむ時点で魂の成長はないのであろう。なんとも哲学者のソクラテスらしい表現である。
If you find a good wife, you’ll become happy; if not, you’ll become a philosopher.
訳:汝が良妻を持たば幸福者にならん。悪妻を持たば哲学者にならん。
人間、一生を共にする人次第で環境も学ぶ姿勢も変わってくる。自分が置かれた状況で、何をするかが大事だ。
The only true wisdom is in knowing you know nothing.
訳:唯一の真の英知とは、自分が無知であることを知ることにある。
無知だからこそ、追い求める過程が幸せなのだと気付かされる。まずは自分が無知であることを自覚することから始めよう。
ソクラテスの仕事の名言
Let him who would move the world, first move himself.
訳:世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ。
何か大きなことを成し遂げたいと思ったら、周りは気になるがまず自分に目を向けよう。そして何ができるか、何をすべきかを考えよう。
The true wise man knows his foolishness.
訳:真の賢者は己の愚を知る者なり。
ソクラテスは自分で教えられるものは教え、教えられないものはその道の専門家を紹介したという。自分の欠点を見極め受け入れられることこそ、賢者の証である。
No one should be falsely rewarded.
訳:何人たりとも、不正に報いてはならない。
卑しさは何も生まない。見返りを求めて行動するなんてもってのほかだ。
When the debate is over, slander becomes the tool of the loser.
訳:討論が終わったとき、悪口は敗者の道具になるのだ。
負け惜しみから悪口が出る。討論ができるほどの者ならば、別れもスマートに行おう。
Study is light, ignorance is darkness.
訳:勉学は光であり、無学は闇である。
何事にも学ぶ姿勢を忘れなければ、必ず道は開ける。何もしなければ変わらないままだ。
ソクラテスの生涯
ソクラテスは教育に熱心だったが、自身は一切の著述を行わず、謎めいた人物として知られている。そのため、弟子であるプラトンやその弟子であるアリストテレスなど、後世の賢人によって彼の人となりや言行が伝えられた。
ソクラテスは思想運動の結果、無実の罪でこの世を去った。彼には反感を持つ人、敵も多かった一方で、好感を持ち慕う人も多くいたという。
ソクラテスの生い立ち
ソクラテスは紀元前470年頃、ギリシャ共和国の首都アテナイ(現:ギリシャの首都アテネ)に生まれた。父は彫刻家(石材加工者という説もある)のソプロニスコス、母は助産師のパイナレテとされている。
ソクラテスは、ペロポネソス戦争やデリオンの戦いで重装歩兵として従軍した。青年期には自然科学に興味を持ったとの説もある。
ソクラテスの思想の形成
ソクラテスの思想形成のきっかけとなったエピソードを紹介しよう。
ある日、ソクラテスの弟子カイレフォンが巫女に、「ソクラテス以上の賢者はいるか」と尋ねたところ、「ソクラテス以上の賢者は一人もいない」と答えた。
ソクラテスは、自分が賢者ではないと自覚していたので驚いた。そしてそれの意味するところを自問した挙句、反証を得ようと試みる。
賢者たちに会い問答してみたが、彼らは特定の分野においてはたしかに知見を持っているものの、他の分野においても識者であると思い込んでいた。ソクラテスは「知らないことを知っていると思い込んでいるより、知らないと自覚している方が賢い」ことを身をもって知り、その正しさに確信を深めていくようになった。
晩年のソクラテス
ソクラテスは生涯のほとんどをアテナイで暮らし、西洋哲学伝統の中で最も広く知られる人物の一人となった。後代の哲学者たちと現代の哲学者たちに及ぼした影響は計り知れない。
ソクラテスは賢者たちの無知を指摘していくライフワークが原因で、公開裁判にかけられ死刑に処された。紀元前399年のことである。晩年は、倫理や徳を追求する哲学者としての生活に専念したという。
ソクラテスの名言をより深く理解できるおすすめ本3選
ソクラテスの思想や名言が生まれた背景を学ぶことで、より理解を深められるだろう。本記事では、学びの手助けとなるおすすめの本を3冊紹介する。
『ソクラテスの弁明・クリトン』
出典:Amazon
出版社:講談社
発売年:1998年
「よく生きること」をテーマとした表題2作に加え、クセノポンの『ソクラテスの弁明』も併載している。多角的な視点からソクラテスに迫る一冊だ。
『マンガで読む名作 ソクラテスの弁明』
出典:Amazon
出版社:日本文芸社
発売年:2010年
法廷のソクラテスを描いた表題作に加え、脱獄を勧める友との対話『クリトン』と、毒杯で刑死するソクラテスの最期が収録されている。マンガなので気楽に読めて分かりやすい。
『ソクラテスに聞いてみた』
出典:Amazon
出版社:日本実業出版社
発売年:2016年
ホームレスとなったソクラテスが、イカの燻製を片手に人生を語る。仕事、人間関係、お金、恋愛、結婚…本当の考えを引き出す問答法で、人生をよりよく生きる知恵を説く。
ソクラテスの名言で、人生をさらに輝かそう
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、独自の思想で人々を諭し、導いた人物として広く知られている。彼の死後も、彼の思想や言葉に救われた人はごまんといるだろう。
ソクラテスが残した名言から、人生をさらに輝かすヒントを見つけてみてはいかがだろうか。
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