中国の「借金地獄」外交に国内外から批判 アフリカに6.7兆円を追加支援
北京で開催された中国アフリカ協力フォーラムの首脳会議で、中国の習近平主席は3年前の前回会議に続き、今後3年間に600億ドル(約6兆7000億円)の経済支援をアフリカに行うと発表した。中国はアジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ「一帯一路」構想の下でも途上国支援に積極的だが、相手国に払いきれない負債を抱えさせる「借金地獄」外交だという指摘がある。中国政府は反論しているが、国内外から厳しい目が向けられている。
◆アフリカでの影響力拡大 「一帯一路」でも巨額の援助
中国のアフリカでの活動が劇的に広がり始めたのは「一帯一路」が打ち出されるよりずっと前の2000年頃だ。以後アメリカの援助を抜き、アフリカの資源獲得への道が開かれた。ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによれば、2000年から2016年の間に、中国からの融資は約1,250億ドル(約14兆円)に達している(ロイター)。
経済援助の甲斐あってか、この10年で中国はアフリカ諸国にとって最大の貿易相手国となった。中国輸出入銀行が2013年に出した予測では、直接投資、ソフトローン、銀行貸し付けを含め、中国のアフリカへの経済支援は、2025年には累積1兆ドル(約112兆円)に達するとされている(ロサンゼルス・タイムズ紙、以下LAT)。
アフリカでは、中国の援助で鉄道、道路、港湾など、さまざまなインフラ整備が行われているが、同様の援助は世界に広がっている。習主席は「一帯一路」の沿線国に1,260億ドル(約14兆円)の融資や援助を行うと表明しており、すでに世界十数ヶ国で、5億ドル(560億円)が投じられている(LAT)。