ガザの人々にネット環境を…eSIMを寄付する活動が広がる

パレスチナ自治区ガザ地区南部のラファ(4日)|Fatima Shbair / AP Photo

 エジプト人ジャーナリストが、戦禍にあるガザの住民にeSIMを寄付することで、インターネット環境を届けるという活動を始め、支援の輪が広がっている。その詳細とは。

◆遮断されたパレスチナ
 10月27日、イスラエルのガザ地区への攻撃によって、約230万人のパレスチナ人が電話・インターネット回線から遮断された。コミュニケーション手段の遮断は、戦禍の住民が危険を回避するための情報収集や、支援や救助のためのコミュニケーション活動を阻害することを意味する。また、現場から発信される情報が途絶えることは、世界の人々がSNSやマスメディアを通じて、被害状況を知ることができなくなることも意味する。

 ガザ地区のネットワークが遮断した翌日、eSIMを活用してガザのパレスチナ人にネットワークを提供しようというグローバルキャンペーン「#ConnectingGaza(コネクティング・ガザ)」が開始した。キャンペーンの仕掛け人は、エジプト人ジャーナリストのミルナ・エル・ヘルバウィ(Mirna El-Helbawi)。コネクティング・ガザは、クラウドソースによって全世界の支援者からeSIMの寄付を募り、パレスチナ人にインターネットアクセスを届けるという仕組みだ。支援者は、デジタル版のSIMを購入、QRコードのスクリーンショットを、コネクティング・ガザの支援団体にメールで送付する。ガザの利用者はそのQ Rコードを通じて、自分の携帯でアカウントを有効化し、インターネットに接続するという仕組みだ。

Text by MAKI NAKATA