イラン革命防衛隊司令官、フランスに襲撃警告「ラシュディに起きたことを…」

テヘランの仏大使館前でシャルリー・エブドの風刺画に抗議する人々(1月8日)|Vahid Salemi / AP Photo

◆過激な風刺画
 こういう背景で開かれたシャルリー・エブド紙の風刺画コンテスト。集まった作品のなかから同紙は35点の入選作を選び、1月7日号において発表した。この1月7日号は、2015年の同社襲撃事件から7年を記念する特別号でもあった。

 発表された作品は、「Mullahs Get out(ムッラーたちよ出て行け)」(ムッラーはシーア派の聖職者に用いられる呼称)というハッシュタグから想像できるように、どれも辛辣な風刺に満ちたものだ。たとえば、1月4日に同紙がツイートした同号の表紙風刺画は、全裸で横たわる女性の股間に、ムッラーが列をなして進む様子が描かれており「ムッラーたちよ、あなた方が来た場所へ戻りなさい」という言葉が添えられている。

◆フランス政府に抗議するイラン
 これに激怒したイラン当局は、駐イラン・フランス大使を呼び出して抗議。イラン外務省は声明のなかで「フランスの出版物における反イスラム主義の表現と人種差別的憎悪の広がりをフランス政府が放置している」と非難した。イランのアブドラヒアン外相もフランス政府を真っ向から批判するツイートを出した。(リベラシオン紙、1/5)

 これらの抗議に対し、フランスのコロナ外相は、「イランと異なり、フランスには報道の自由というものが存在する」と反論。事実、シャルリー・エブド紙は公式機関紙ではない民間の新聞であり、その報道を政府が規制するというのはフランスでは考えられない。




Text by 冠ゆき