侵攻批判のロシアの「ソーセージ王」が不審死 相次ぐ有力者の「自殺」「事故」

Alexey Danichev, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP

 ロシアの重要人物の不審死が相次いでいる。クリスマスイブには、過去にソーシャルメディアに反戦メッセージを投稿していた国会議員がインドに滞在中、ホテルから転落死した状態で発見され、死亡が確認された。プーチン大統領にとって不都合な人物が怪死を遂げたのは、これが初めてではない。

◆ロシアの「ソーセージ王」がインドで怪死
 今回新たに死亡した人物は、ロシア国会議員で実業家のパヴェル・アントフ氏だ。食品産業で財を成したアントフ氏は、ロシアの「ソーセージ王」の異名を持つ。米CNN(12月27日)によると、アントフ氏は2021年6月、ソーシャルメディアのワッツアップ上で反戦の意思を表明していた。プロフィール上に短文を表示する「ステータス」で反戦の立場を明かしたが、のちに「不幸な誤解と技術的なエラー」だったとして撤回を迫られている。

 そのアントフ氏は24日に不審死を遂げた。米ワシントン・ポスト紙(12月27日)は地元メディアの情報をもとに、氏がインド東部オディシャ州のホテルに滞在中、ホテル3階の部屋から転落して死亡したと報じている。インド警察は現地メディアに対し、自殺との見方を示した。現地のロシア大使館も、「警察が入手している情報によると、犯罪的な要因は見られない」と述べ、事件性を否定している。だが、2日前にはアントフ氏の旅行に帯同していたウラジミール・ブダノフ氏が心臓発作で死亡しており、不自然な死は短期間で2度目となっている。

Text by 青葉やまと