不満示す中印、苦境に立つプーチン氏 懸念される暴走エスカレート
◆中国以上に明確に不満を示すインド
そして、インドは中国以上に明確にロシアへの不満を示している。インドのモディ首相は9月、ロシア極東ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムの場でプーチン氏と会談し、「いまは戦争や紛争の時代ではない」と明確にロシアを非難した。また、9月に国連の場でインドの外相はロシアによるウクライナ侵攻によって物価高やインフレが生じたと不快感を示した。
インドとロシアは武器供与などを通じて伝統的に友好関係にあり、ウクライナ侵攻後もインドはロシア産エネルギーに接近し、両国のエネルギー貿易は活発化する兆しだった。しかし、国際社会の非難が強まり、ウクライナでの戦争犯罪が徐々に明るみに出るなか、インドとしてもこれ以上ロシアをかばえないと考えたに違いない。
◆国際的孤立は国内での暴走を招く
これまでプーチン大統領が欧米に対して強気の姿勢を貫いてこられた背景には、中国やインドという存在があったことは間違いない。しかし、両国がロシアと距離を置く姿勢を示せば示すほど、プーチン氏は国際的に孤立し、国内での暴走をエスカレートさせる恐れがある。
その一つが、予備役の部分的動員だろう。プーチン氏がそれを発表して以降、ロシア各地では反プーチンの声が一気に高まり、すでに6万人以上が欧州連合(EU)圏内に移動したとも報じられている。しかも、軍事関係者とは関係のない人々にまで動員の対象が広がっているとみられ、昨今のプーチン氏の行動はまさに純粋な戦略から逸脱したものとなっている。
こういった外と内からの孤立が進めば、プーチン氏が今後どういった行動を取るのか懸念される。核兵器使用のハードルは極めて高いが、それを含め今後の情勢を注視していく必要がある。
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