◆警戒を強める中国と北朝鮮
　反対に中国や北朝鮮は、尹政権がどのような対中、対北政策を進めるかを注視しているはずだ。これまで経済を中心に韓国と関係を維持してきた中国は、日米重視の尹政権が誕生したことで、間違いなく中国離反が生じることを警戒している。尹氏の就任式にも習近平国家主席の側近を派遣していた。今後中国は韓国が離反しないよう積極的に働きがけるだろうが、日米への接近が鮮明になった際には、韓国に経済的な揺さぶりなどでプレッシャーをかけることだろう。

　最も否定的に捉えているのは北朝鮮かもしれない。これまで太陽政策を掲げる文政権だったが、尹氏はそのスタンスではない。すでに、尹大統領が日米韓の協力を重視し、それによって北朝鮮に迫ってくることを予想していると思われるため、今後北朝鮮による瀬戸際外交はさらにエスカレートする可能性があるだろう。また、ウクライナ問題でロシアはそれどころではないだろうが、尹政権の基本姿勢を考慮すれば、おそらくプーチン大統領も好意的には捉えていないだろう。

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