略奪品を自宅に発送、ベラルーシで販売か ウクライナで略奪繰り返すロシア兵

ロシア軍撤退後のウクライナの首都キーウ郊外ブチャ(4月6日)|Felipe Dana / AP Photo

◆宅配便で直送? 市場で平然と盗品販売も
 2月からベラルーシの軍事活動を監視するテレグラム・チャンネル「Belaruski Gayun」は、4月上旬にロシア兵が宅配便でロシアに大型荷物を送っていると報じた。中身は盗品だと考えられている。(独立系ニュースサイト『メデューザ』)

 荷物はベラルーシの都市マズィールのCDEK(ロシアの国際輸送会社)宅配便事務所から発送されている。「Belaruski Gayun」がアップロードした同事務所で撮影したとされる映像には、軍服を着た人々が荷造りしたり、CDEKの従業員に送り先の情報を渡したりする様子などが映っている。荷物の中にはウクライナのショッピングセンターのロゴが入ったバッグなども確認されている。(同)

 ロシア兵がベラルーシに盗品を売る「市場」を開いていると、ウクライナ情報局(GUR)は発表している。ナロウリアの町の盗品市場では、略奪されたさまざまな商品が並んでおり、ロシア兵がドルやユーロでの支払いを求めているという。もっとも国内の通貨規制があるため、ベラルーシ人も進んで支払うことはないようだという。(エルサレム・ポスト紙

 ウクライナ国防省によれば、工業製品や家庭用品などを積んだトラックの隊列がウクライナの都市ブリンからロシア国境に向けて移動しているという(ビジネス・インサイダー誌)。まさに略奪が軍を挙げての活動となっていることがうかがえる。

◆戦争犯罪の可能性も 犯人の特定進む
 ウクライナの治安当局は、略奪行為がもうすぐロシア軍の唯一の目的になるほどの規模に達しており、その十分な証拠を掴んでいると主張している(英タイムズ紙)。

 ウクライナの副首相兼デジタル担当大臣ミハイル・フェドロフ氏は政府のテレグラム・チャンネルで、略奪者の特定に協力することを市民に呼びかけている。ベラルーシのCDEKで撮影された画像から、人工知能により略奪者の特定が進んでいるという。(エルサレム・ポスト紙)

 ウクライナ国防省も略奪などの戦争犯罪を通報できるウェブサイトを開設したという。戦争中の略奪は1949年のジュネーブ条約第4条で禁止されていると考えられており、ほとんどの国の軍には略奪を禁止する規則があり、慣習国際法上の規範となっていると、エルサレム・ポスト紙は指摘している。略奪を戦争犯罪として立証するため、ウクライナ側の粛々とした証拠集めは続くと思われる。

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Text by 山川 真智子