人口爆発という脅威 今後の世界の安全保障を考える
◆今後は急速な世界人口の増加が懸念
伝統的な安全保障に国際社会の焦点が移るなか、筆者が今後最も懸念していることに急速な世界人口の増加、人口爆発がある。周知のとおり、世界人口は急速に増加しているが、アジアやアフリカの途上国を中心にそれが著しい。そのようななか、世界ではこれまでになく地球温暖化や気候変動が深刻化し、それが貧困や食糧不足、移民・難民の増加などを誘発し、紛争やテロの増加に繋がる恐れがある。とくに、若い世代の人口が増えるなか、それに見合うだけの経済成長や雇用が生まれているわけではなく、経済格差が広がっており、それによって若者たちが犯罪やテロの世界に入ってしまうことを筆者は強く懸念している。
一方、こういった形で世界情勢が悪化すれば、それは各地に駐在する日本人の安全にも悪影響を与えることになる。グローバルビジネスと国際安全保障を関連づける議論は敬遠されることもあるが、実際両者は表裏一体の関係にあり、経済ビジネスの視点からも重要なファクターになる。研究者や政府職員、NGO職員だけでなく、企業関係者もこの問題の行方を注視していく必要がある。
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