「競争的共存」とは何か? 米中対立の行方

Evan Vucci / AP Photo

 
◆避けられない競争的共存という道
 現在の「バイデンアメリカ」と「習中国」の関係をみると、歩み寄っても対立しても避けられないのが「競争的共存」という道だと筆者は思う。これは文字通り、いくら米中が対立しようが、対立の最悪シナリオである米中戦争は両者とも避けようとすることに間違いなく、最近のワクチン外交に象徴されるように、競争し合うなかで両国がともに存在するということだ。

 バイデン政権は経済の脱中国化を進めようといるが、それも本質は「するかしないか」ではなく、「どこまでするか、できるか」という程度の議論である。経済のグローバル化を考えればそれほど難しい議論ではないが、実際この競争的共存以外に両国とも選択肢はないのではないだろうか。

 筆者はこれまでにバイデンアメリカによって生じる可能性のあるチャイナリスクについて指摘してきたが、それは決して米中の完全なデカップリングを意味せず、あくまでも企業の危機管理的な視点を重視したまでだ。米中をめぐっては、接近や協調、競争や対立といったさまざまなシナリオが描かれてきたが、どんなシナリオが生じても、最終的には競争のなかで両国がともに存在するという「競争的共存」に辿り着くことは最も現実的な考えであろう。

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Text by 和田大樹