今後占う米中高官の直接会談、ポイントは? バイデン政権発足後初

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 米国務省は3月10日、ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官が18日にアラスカ州アンカレッジで楊潔篪共産党政治局員や王毅外相ら中国高官と直接会談を行うと発表した。バイデン政権の発足以降、両国の高官が直接会うのはこれが初めてとなる。今後の米中関係の行方を占うにあたって、今回の会談はどのような意味があり、どのように進むのだろうか。また、会談のポイントはどこにあるのだろうか。

◆今後4年間の米中関係の行方を占う試金石となる
 まず、今回の会談は首脳レベルの会合ではないが、今後4年間の米中関係の行方を占う上で重要な試金石となる。ここで米中の間で何かしらの共通認識を共有し、少なからずの相互理解を生み出せれば、バイデン・習会談に向けて一歩前進する可能性があろう。反対に、結果的に互いに意見をぶつけ合うだけで終われば、今後も冷え込んだ関係が続くころだろう。

 一方、専門家の間ではよく米中でデカップリング(政治経済的な米中切り離し)が議論されるが、グローバル経済のなか、完全なデカップリングは非現実的であり、部分的なデカップリングになることは両国とも無意識のうちに認識していることだろう。そういったところも、今後の行方を見ていく上で重要となる。

Text by 和田大樹