契約キャンセルも? 難航する仏受注の豪潜水艦プロジェクト

コリンズ級潜水艦ファーンコム|U.S. Navy / flickr

 日本、フランス、ドイツが入札したオーストラリア海軍の次期潜水艦建造プロジェクトは、フランスのDCNS(現ナーバル・グループ)が2016年に受注した。「求める要件を最も満たしていた」という理由で選ばれたが、費用が膨らみ計画の遅れも指摘されている。豪史上最大となる巨額の防衛調達プロジェクトは、建造前から難航中だ。

◆コスト倍増、維持費も巨額
 フランスが建造する潜水艦はアタック級と名づけられ、仏原子力潜水艦「バラクーダ級」の動力をディーゼルに変更したものだ。合計12隻が2030年代から2050年までに順次納入されることになっている。

 ところがこの潜水艦建造が政府にとって「やっかいな問題」になっていると、シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のウェブサイト『ストラテジスト』は述べる。豪会計検査院によれば、当初500億豪ドル(約4兆円)だったコストは、2019年11月時点で、物価修正後800億豪ドル(約6兆4000億円)に上昇。さらに昨年7月には、897億豪ドル(約7兆2000億円)に更新された。これに加え莫大な維持費もかかり、2080年までで1450億豪ドル(約11兆6000億円)が必要になると見積もられている。

 政府は決して高くないと主張しているが、オーストラリア国立大学のヒュー・ホワイト教授は、当初のコストで計算しても、潜水艦1隻あたり40億豪ドル(約3200億円)となり、相場の2倍だと指摘。価格に見合う価値があるかは不明だとした(豪ABC)。

Text by 山川 真智子

Recommends