日中韓首脳会合と2020年の東アジア

Wang Zhao / Pool Photo via AP

 先月23日から2日間の日程で、中国で日中韓首脳会合が開催された。会談後の成果文書では、国連安保理決議に基づく北朝鮮の非核化や拉致問題の早期解決などが明記され、東アジアの平和と安定のため関係各国が協力していくことで一致した。また今回の会合では、東アジアで影響力を確保し、米国をけん制しようとする中国の姿も見えた。今年の東アジア情勢はどのような様相を見せるのだろうか。
 
◆日中韓首脳会談での中国の思惑
 今回の日中韓首脳会合で筆者が印象的だったのは、24日に成都で開催された日中韓ビジネスサミットの際の李克強国務院総理の一連の発言だった。

 李克強氏は、「3ヶ国は自由貿易と多国間主義を共有し、来年は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の締結、中日韓自由貿易協定(FTA)交渉の加速化を目指し、中国は関係各国と協力を強化していきたい」と発言したが、この「自由貿易」と「多国間主義」という発言からは中国のある狙いが想像できる。

 それは米国を牽制するということだ。トランプ政権以降、米国は自国第一主義や保護主義など、「協調主義」とは一線を画す姿勢を鮮明にしているが、米中対立が激しくなるなか、中国としては自由貿易や多国間主義を強調することで、日本と韓国と接近し、米国を牽制したい狙いがある。

 米中貿易摩擦が激しくなっているが、中国にとっても日本と韓国は重要な貿易相手であるので、「米国を中心とする米日韓“安全保障”同盟」に対抗する手段として、「中国を中心とする中日韓“経済”同盟」みたいな枠組みを望んでいるのではないだろうか。習近平政権も、近隣の経済大国と経済関係が悪化することは避けたいはずだ。

Text by 和田大樹

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