中国、「世界初」無人水陸両用車両を配備 南シナ海、尖閣での使用を想定か

Training exercise for the military parade to celebrate China's 60th Anniversary, photo by gadgetdan / flickr

◆米誌は「眉唾もののできすぎた話」の可能性も指摘
 中国側が、「マリン・リザード」の配備は上陸作戦・離島防衛の「ロボット革命」の第一歩だと胸を張るのに対し、米防衛誌ナショナル・インタレストは、「眉唾ものの出来すぎた話」である可能性もあると、慎重だ。同誌は、主張されている性能をフルに発揮できれば、革新的な兵器であることは認めつつ、いくつか疑問点も挙げている。

 その一つは、従来の水陸両用車両は純粋な船に比べて洋上での安定性が低く、荒れた海で沈没した事例が過去に多くある点だ。確かに、「マリン・リザード」の外観はAAV7などの従来の水陸両用車両と大きく変わっているようには見えず、この点が克服されているかは疑問だ。また、装甲の厚さや各種センサーの性能も不明で、ここが不十分だと決定的な弱点となる可能性が高い。また、普段はスイッチをオフにして保管する形となるが、有事の際に素早く起動・運用するために専用の人員を24時間体制で配置するのか、そこをAIに頼るとすれば暴走の危険はないのか、といった疑問点も同誌は挙げている。

 いずれにしても、米海兵隊や自衛隊水陸機動団の直接のライバルが、無人化で先んじたのは紛れもない事実だ。それを単にSFじみた夢物語だと軽く見ない方が良さそうだ。

Text by 内村 浩介