プーチン大統領はなぜいつも遅刻するのか? 今回は2時間半待たされた安倍首相

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 ロシアのプーチン大統領の遅刻魔ぶりは有名だ。先日の日ロ首脳会談でも、安倍首相を2時間半待たせた。他の世界各国の首脳も例外ではない。アメリカのトランプ大統領も1時間近く待たされた。英国のエリザベス女王やローマ教皇ですら、待ちぼうけを食らっている。「政治的な心理ゲームだ」「逆説的な敬意の表明だ」などと、その理由にはさまざまな憶測が飛ぶ。「彼は若い頃からそうだった」という元妻の証言もあり……

◆安倍首相が待ち時間トップクラス
 今月10日にロシアのウラジオストクで開かれた安倍首相との首脳会談は、プーチン大統領の遅刻により開始が予定よりも2時間半遅れた。2016年に日本で行われた日ロ首脳会談でも、安倍首相は3時間待ちぼうけを食らった。その直前にロシアを訪れた当時の岸田外相も2時間待たされた。日本の要人に課された待ち時間は2、3時間が相場のようだ。

 超大国アメリカの大統領も例外ではない。トランプ大統領は7月の首脳会談で、フィンランドの首都ヘルシンキで50分間待たされた。オバマ前大統領は、それよりも10分短い40分で済んだという記録が残っている。

 ドイツの調査会社が英インデペンデント紙の依頼でまとめた「ウラジミール・プーチンの会談の遅れぶり概算表」によれば、最もプーチン氏に待たされた首脳はドイツのメルケル首相で、2014年に4時間15分の遅刻を記録。僅差の2位は、ウクライナのヤヌコビッチ前大統領(4時間)だ。安倍首相の3時間(2016年)は、ティモシェンコ元ウクライナ首相、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領と同率の3位。安倍首相は、今年も2時間半待たされたことにより、累計記録ではトップに立った可能性もある。

Text by 内村 浩介