マレーシア高速鉄道、日本が受注の可能性高まる 有力の中国が断念か

Luciano Mortula - LGM / shutterstock.com

◆国益の見込めないプロジェクトには中国政府がノー
 WSJによれば、原因は中国政府が中国中鉄に投資のゴーサインを出さなかったためだという。シンガポールのチャンネル・ニュース・アジアの取材に答えたマクロエコノミクスのアナリスト、フー・ケー・ピン氏は、厳しい資本規制をする中国は、地政学的利益への戦略的意義がない事業には今後参入しないだろうと話している。

 そもそも中国が欲しかったのは、事業費1.6兆円ともいわれる高速鉄道のほうだった。フー氏は、高速鉄道は日本が受注する可能性が高まっており、中国は勝ち目がないとみて「バンダー・マレーシア」から手を引いたのではないかとしている。

◆フロントランナー日本。石井国交相がGWに猛セールス
「バンダー・マレーシア」の中国出資が無くなったこの時期に、図らずも日本の現地でのセールス活動が重なった。日本は官民共同で新幹線を売り込んでおり、マレーシアのニュースサイト、フリー・マレーシア・トゥデイによれば、ゴールデンウィーク中には石井国交相とともに、住友商事、三菱重工、日立、JR東日本などがクアラルンプールで開かれた高速鉄道シンポジウムに参加した。石井国交相は「財政面、人材開発、地元企業との協力を含む具体的な提案に努めたい」とアピール。マレーシアとシンガポールの高速鉄道プロジェクトの担当大臣と面会するなど、精力的に活動したようだ。フリー・マレーシア・トゥデイによれば、日本、中国以外にも韓国、フランスも高速鉄道受注を目指しているという。

                                                                                                                 
Text by 山川真智子

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