近年増加している訪日外国人 約8割の飲食店が口コミで機会損失の可能性

画像はイメージ(Flicker/ Guilhem Vellut

新型コロナウイルス感染症の対策として行われていた水際対策が緩和されて以降、増加している訪日外国人観光客。

飲食店を中心に出退店の総合支援を行う店舗流通ネット株式会社は、飲食店がインバウンド効果をどれくらい受けているのかについて調査しました。

店舗の口コミという視点から調査した結果、78%の飲食店が機会損失をしている可能性があることが判明したといいます。

口コミで飲食店が機会損失の可能性

調査は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県にある居酒屋やバル、焼肉、ラーメン、カフェ、多国籍料理、和食、テイクアウトなどの飲食店を対象に実施。

インバウンド効果を調査するにあたり「お店を選ぶ際はWEB上の口コミを参考にする」という予測が数値的に証明できるのかを調査した結果、口コミ件数が多い店舗の方が口コミ件数が少ない店舗より、坪単価売上平均が高いことが分かりました。

2023年10月の数値と比較すると、口コミが多い店舗は少ない店舗より坪単価売上平均値が46%も高かったことからも、口コミが店舗の売上に響くことが読み取れます。

次に口コミを日本語と外国語で分けて、それぞれの売上への影響について調査。

その結果、外国語で書かれた口コミの「多い」「少ない」で分類した場合の方がより顕著に結果が出ました。

対象期間中、日本語の口コミの「多い」「少ない」でセグメントした場合は、口コミが多い店舗の方が少ない店舗より坪単価売上平均値が37.25%高い結果に。

対して、外国語の口コミの「多い」「少ない」で分けた場合は、口コミが多い店舗の方が少ない店舗より坪単価売上平均値が58.71%も高く、その差は21.46%でした。

口コミ件数は業種別に異なるのかを比較してみると、ラーメン店の口コミ件数はほかの業種より多いことも判明。

観光庁が発表している「訪日外国人消費動向調査2023年7-9月期(1次速報)」によると、ラーメンは「一番満足した飲食」の第2位でした。

回答者の18.8%がラーメンを選んでいることから、外国人観光客のラーメン人気が高いことも分かり、口コミを得やすい業種であることが判明しました。

今も昔も口コミが店の人気に大きな影響を与えるようです。

Text by 川崎 謙三郎