中国の一帯一路に陰りか 参加国の反発拡大 米研究所が報告

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 国防省が今回指摘したのは、中国の大手家電メーカー「小米科技(シャオミ)」が販売するフマートフォンで、「Free Tibet(チベットに自由を)」や「democracy movement(民主化運動)」「Long live Taiwan independence(台湾独立万歳)」などの言葉を検出、検閲する機能が搭載され、使用者がその言葉を含むネット情報をダウンロードしようとすればそれを妨害できるようになっているという。また、ロックで保護された利用者の個人情報や利用データが遠隔操作で外国のサーバーに送信されていたケースもあったとされる。

 リトアニアは6月に新型コロナワクチン2万回分を台湾に提供し、台湾の代表機関を首都ビリニュスに開設することを発表するなど、習政権が神経を尖らせることを実行し、中国との関係が冷え込んでいる。今回の背景には両国関係の悪化があることは想像に難くない。

◆パキスタンで標的とされる中国権益
 一方、パキスタンでは長年、地元の武装勢力による中国権益を狙ったテロが続いている。最近では、4月にバルチスタン州クエッタにある高級ホテルで爆発テロが発生し、イスラム過激派「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が犯行声明を出した。当時、このホテルは駐パキスタン中国大使の宿泊先だったが、同大使は難を逃れた。

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Text by 和田大樹