ロシア宇宙船の相次ぐ冷却剤漏れ、ISSに何が起きているのか? 若田光一さんの帰還は?

国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしたロシアの宇宙船|Sergei Korsakov, Roscosmos State Space Corporation via AP

◆ISSに取り残された宇宙飛行士の帰還延期
 24日に3名の宇宙飛行士を乗せて打ち上げ、26日にISSへドッキングする予定だったロシアの宇宙船「ソユーズMS-23」は24日、飛行士3人の地球帰還に使用するため、無人で打ち上げられた。ロシアは22日、MS-23での帰還を9月に設定した。同船で地球へ帰還するのは、現在ISSにいて、MS-22に搭乗したロシアのセルゲイ・プロコピエフ、ドミトリー・ペテリン、米国のフランシスコ・ルビオの3名の宇宙飛行士を予定しているという(ロイター)。

 一方で、スペースXのクルードラゴン宇宙船運用6号機(Crew-6)によりISSに向けて新たに宇宙飛行士4名が 27日に打ち上げられる予定である。ISSにCrew-6が到着した数日後に係留中のクルードラゴン宇宙船運用5号機(Crew-5)でNASAのニコール・マンとジョシュ・カサダ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一、ロスコスモスのアンナ・キキナの4名の宇宙飛行士は、地球へと帰還する予定だ。(スペースドットコム

 このように、ロシアの宇宙船による冷却剤の漏洩によるさまざまな影響を回避する対策が打たれ、ISSに滞在した宇宙飛行士も無事に地球へと帰還できるようだ。ロスコスモスは、MS-23のラジエーターについて二重三重のチェックをしたから問題ないと説明したという報道もあり、無事MS-23はISSに向けて打ち上げられた。

Text by 齊田興哉