通知来たら2分以内に撮影・シェア 盛らないSNS「BeReal」の人気急上昇

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◆「つまらない」日常写真の賞味期限
 ビーリアルの人気の背景には、インスタグラムなどのSNSがあまりにも盛りすぎた嘘っぽい記録の場や、企業の広告に溢れる場となってしまい、友達とのつながりというSNSのそもそもの目的が薄れてしまっていることがある。クオーツは「インスタ」疲れによるメンタルヘルスへの影響や、インスタ(SNS)離れといった背景を説明している。完璧なインフルエンサーの投稿に溢れるインスタグラムから、プレッシャーが少ないビーリアルへ移行する若者たちが増えている

 ザ・ヴァージ(The Verge)のシニアエディター兼シリコンバレー・エディターとしてシリコンバレーの動向などを追うとともに、自身のニューズレター・メディアであるプラットフォーマー・ニューズの創設者であるケイシー・ニュートン(Casey Newton)は、ビーリアルの急成長に関していくつかの要点を分析する。その1つが、2分以内に写真を撮影・投稿しなければならないというクリエイティブにおける「制約」だ。これはたとえばツイッターの140文字制限などが類似の例にあたる。そしてもう1つのポイントが、ノスタルジーさだ。「新しいSNSはすべてノスタルジックで、親しい友人だけが利用していた時代や、もう少し自分らしく自由であった時代に憧れる」とニュートンはいう。

 そしてビーリアルのもう一つの重要な特徴が、つまらない日常の共有だ。ビーリアルには、ただコンピューターに向かって仕事をする、家でコーヒーを飲んだり水を飲んだりする、犬の散歩といった光景が溢れることになる。時にはみっともない姿や背景を晒すということにもなる。だからこそ、そういったことも受け入れられる、少ない数の本当の友達同士だけで使う。これが既存のインスタグラムなどとの大きな違いとなる。

 ニュートンは、新たに次々生まれる(そして消え去る)SNSはポップアップ・レストランのようなものだとの考えだ。新しい機能はやがて飽きられてしまったり、機能は簡単にほかのSNSに真似されてしまったりする。いずれにせよ、ビーリアルのマネジメントは、今後つまらない日常を記録する以上の価値を作っていく必要に迫られるだろう。

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Text by MAKI NAKATA