◆夫はかつてテスラの危機を救った恩人
　不倫疑惑により、長年の美しい友情に決定的な不和が生じた恐れがある。ニューヨーク・ポスト紙は二人を「テック界の二つの巨頭」かつ「長年の友人」であったとし、マスク氏が過去何年もの間、シリコンバレーにあるブリン氏の家に泊まりにいく間柄であったと報じている。

　テスラが生産ペースの停滞に苦しみ破産が迫っていた2008年には、ブリン氏はテスラにおよそ50万ドル（約6800万円）を提供している。支援に感銘を受けたマスク氏は2015年、テスラ初のフルEV SUV「モデルX」をブリン氏に贈った。しかし、WSJ紙によると、「イーロン・マスクとセルゲイ・ブリンの友情が不倫の疑いにより決裂」している模様だ。関係者が同紙に明かしたところによると、ブリン氏は自身の金融アドバイザーらに、マスク氏の企業への個人投資を売却するよう命じたという。マスク氏は年初のパーティーでブリン氏に謝罪し、ブリン氏はこれを受け入れたが、二人の関係は以前同様には戻っていない模様だ。

◆スキャンダル続きのマスク氏、不倫疑惑は否定
　マスク氏はテック業界の寵児であると同時に、私生活からはたびたびスキャンダルが漏れ聞こえている。米ヴァージ誌は今月初めの報道をもとに、マスク氏とテスラ元社員の女性とのあいだに双子が生まれていたことが明らかになったと報じている。マスク氏の子供は、判明しているだけで9人となった。5月にはまた、マスク氏が経営する宇宙開発企業「スペースX」の元客室乗務員女性が、マスク氏にセクハラを受けたとして同社を提訴している。

　不倫疑惑が報じられた11時間後、マスク氏はツイートを通じ否定した。WSJ紙によると「まったくのでたらめだ。セルゲイとは友人であり、昨夜もパーティーで一緒だった！」と反論している。妻のシャナハン氏とはここ3年間で2回、ほかの人のいる場で会っただけだと主張している。

　ツイッター買収撤回をめぐり訴訟に直面しているマスク氏だが、新たな問題の火種を抱えることとなった。

【関連記事】
「文明が崩壊してしまう」イーロン・マスク氏、出生率低下に危機感「もっと子供を」
タイム誌「今年の人」イーロン・マスク氏に米国人がしらける理由
グーグル創業者2人が退任　独禁法調査が熱を帯びるなか