印スマホ市場、サムスンと中国メーカーがしのぎ 注目されるグーグル、現地キャリアの5G端末

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◆ゲームチェンジャー「Jio」の動きが市場を左右する
 また、早ければ来年にも開始されるであろう5Gサービスもスマホ市場シェアに大きな影響を及ぼすことになると思われる。インドでは新型コロナの影響で5G周波数オークションすらまだ開催されていない状況だが、インド通信最大手「リライアンス・ジオ(Reliance Jio)」はグーグルと提携し、格安5G端末を市場に導入することを明らかにしている。
 
「リライアンス・ジオ」と言えば、同国を代表する大手財閥「リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)」傘下の通信企業で、同国最多の契約数を誇る。「世界最安のデータ通信料」を武器に急速に契約を増やし、現在の契約数はすでに4億を突破している。

 そんな「ジオ」がグーグルと提携し、安価な5G通信プランとセットで5G端末を市場に投入するとなれば、インパクトはかなり大きい。しかも、同社は「ファーウェイ(華為技術)」や「ZTE(中興通訊)」など中国通信機器大手に頼らず、5G通信網を整備することを宣言しており、インド政府にとっては理想的な企業でもある。安価な通信プランとグーグルお墨付きの端末(現地報道では7000円以下の5G端末をまず投入し、普及が進めばさらに価格を下げるとのこと)に加えて政府のバックアップもあれば、インドのスマホ市場におけるゲームチェンジャーになる可能性はきわめて高い。実際に、同社は4Gサービス開始時に安価な通信プランと4G対応フィーチャーフォン「Jio Phone」をセット販売する戦略をとっており、フィーチャーフォンの出荷台数シェアでは常に上位を維持している(2018年通年で1位、2019年は2位)。

 これらを総合的に判断すると、インドのスマホ市場はサムスンと中国メーカーの「寡占」という状態がしばらく続くものの、国内メーカーも両者から削り取るように少しずつシェアを伸ばしていくだろう。そして「ジオ」による5Gサービスが開始されたとき、インドのスマホ市場は分岐点を迎えるはずだ。

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Text by 飯塚竜二