火星で凍ってない水を確認 地下に巨大湖 生命が存在する可能性も

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 イタリアの研究者たちは、水塊を発見するために欧州宇宙機関のマーズ・エクスプレス火星探査機を使い、3年がかりで収集したレーダー信号を解析した。その結果は、火星の南極に近いところにある氷の下に、およそ1マイル(1.5キロメートル)の深さの水塊が12マイル(20キロメートル)の幅にわたって存在していることを示唆するものだった。

 研究者たちは少なくとも2年間を費やして綿密にデータを調べ、自分たちが見つけたのは氷や他の物質ではなく、間違いなく液体の水であることを確認した。

「実際のところ、私はこれが水以外の物質であるという説明が思いつかない」と、ボローニャにあるイタリア国立宇宙物理学研究所の宇宙物理学者であり、この研究の主執筆者であるロベルト・オロセイ氏は語る。

 火星は酷寒の地ではあるが、溶解している塩分の作用によって水は凍結せずに液体の状態を維持し続けてきた模様だ。この研究には携わっていないライス大学の惑星地質学者であるカーステン・ジーバッハ氏は、これは道路に塩分をまいて凍結を防止するのと同じ原理だと語る。

「この液体の水は極めて低温であろう。ほとんど凍結する一歩手前のはずだ。そしておそらく塩水だろう。生命が誕生するための理想的な環境ではない。それでも同じような環境に適応して生存している微生物は地球上にも存在している」とジーバッハ氏は言った。

 オロセイ氏は、「この湖が、火星上で生命が存在している初の候補地である、と考えるのはとても魅力的だ」と語る。

 同氏は、火星にはまだ他にも隠された水塊があり、発見されるのを待っているのかもしれないと考えている。

 我々の住む地球の隣人、火星は、地表を移動する探査車や上空を周回する軌道上の探査機を使って詳しい調査を行う対象でありつづけてきた。5月にNASAはまた別の火星探査機、インサイトを打ち上げた。インサイトは11月に火星の赤道のすぐ北側にある平野部に着陸し、その後、地表を掘り進んで火星の地殻内部を調査する予定だ。

By EMILIANO RODRIGUEZ MEGA, Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

 

Text by AP