スイス地下水から「永遠の化学物質」PFAS検出、調査地の5割で 基準値超えは1ヶ所

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 「水の国」といわれるスイスの飲料水の8割は、アルプスの雪解け水や氷河などを源泉とする地下水や湧き水からくまれている。水道水の水質基準は厳しく、家庭で飲料用として日常的に使用されている。ところが、このほど実施された水質検査で人体に有害な化学物質である有機フッ素化合物、通称「永遠の化学物質」が検出された。

◆500ヶ所以上の地下水観測地点を調査
 スイス連邦環境省(FOEN)は12日、国内500ヶ所以上の地下水観測地点の水質濃度を検査した結果、約半数の地点から「永遠の化学物質」と呼ばれる人体に有害な有機フッ素化合物(総称PFAS)が検出されたことを公表した。国立地下水観測所(NAQUA)が2021年に予備調査を実施した。

 PFASは数千種類以上の人工化学物質、有機フッ素化合物の総称で、こびりつかない、あるいは汚れをはじくという特性から、さまざまな製品に使用されている。がん、甲状腺疾患、妊娠高血圧症候群などの健康問題に関連しているとされるため、同国では現在、一部の使用が禁止されているが、環境中に残留している。

 今回の調査ではPFASのうち26種類の化合物の濃度を調べ、その結果、約半数の地点で計13種類が存在することが判明した。最も高い濃度が検出されたのは、PFASの一種であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)で、2011年より同国で使用が禁止されている。過去においてはカーペットや皮製品の保護被膜材として使用されていた。

 地下水はスイスの主要な飲料水源であり、飲料水需要の80%を占めている。そのため、地下水1リットルあたり0.3~0.5マイクログラムのPFASを安全基準としており、1サンプルあたりPFASの3種類を基準としている。この基準値を超えたのは、1つの測定地点のみだった。

Text by 中沢弘子