金属鉱業で汚染された土地に、世界で2300万人超が居住 調査
◆2348万人が居住する氾濫原へ影響
調査結果によると、世界規模で約47万9200キロの河道と16万4000平方キロの氾濫原に影響を及ぼしている。影響を受けた可能性のある氾濫原には約2348万人が居住しており、彼らは572万頭の家畜を養い、そこには6万5000平方キロ以上の灌漑(かんがい)地がある。
「その人たちが汚染の影響を受けているかどうかは、この調査だけではわかりません」「しかし、そうした地域の多くには農業と灌漑があります」と同研究センターのクリス・トーマス教授は説明する(BBC、9/23)。
汚染された土壌で栽培された作物や、鉱山廃棄物で汚染された水で灌漑された作物には、高濃度の金属が含まれていることが明らかになっている。人がこれらの汚染金属にさらされる経路は、汚染された水や土壌で栽培された食品の摂取のほか、皮膚接触による直接暴露、誤飲、汚染された粉塵の吸入など、さまざま存在する。
◆金属需要増大で深刻な問題に
マンチェスター大学のジェイミー・ウッドワード教授は、この研究は氾濫原に蓄積された「静かな汚染」がもたらす脅威を浮き彫りにしたと述べた。「河川モニタリングの大部分は水に焦点を当てているが、本当の『有害物質』は河川の堆積物に関連していることが多い」と語る。(BBC)
リチウムや銅など、バッテリー技術や電動化を支える金属の需要が急増するなか、金属汚染は極めて重大な問題になる、と同研究を率いたマーク・マックリン教授は言う。「このことは以前からわかっていた。私が懸念しているのは、過去の遺産(廃坑による汚染)がいまだに何百万人もの人々に影響を及ぼしているということだ」「この遺産(汚染)は気候変動やさらに頻発する洪水によって拡大していくだろう」と語った。(BBC)
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