人類の歴史が変わる? 化石燃料社会から脱炭素社会へ

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◆「ガソリン車」さようなら!
 政府は、欧米や中国の発表に遅れて、2030年半ばに新車販売からガソリン車をなくすと宣言。日本の自動車メーカー各社は、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)へと開発を加速させている。商用車についても、乗用車に準じて2021年夏までに検討を進める方針だ。

 EV車の次世代基幹技術として本命視されているのは全固体電池(液体の電解質などを用いない固体材料で作った電池)で、実用化の動きが加速。2020年代前半にトヨタが搭載車を販売する方針だ。さらに、トヨタは昨年12月、FCVの新型ミライを発売した。

 EV車専業の米国テスラは1月末、2022年までの年間販売台数が20年比倍の100万台超になるとの見通しを示し、EV車の市場争奪戦が本格化している。CO2排出削減が遅れていたGM(米国ゼネラル・モーターズ)が、商用車を含む全車種で脱炭素の取り組みを加速。2025年までに30車種のEV車を投入すると発表した。またEUは、運輸部門からのCO2排出量が全体の25%を占め、大胆な対策が欠かせないと判断。2030年までに、EVやFCVを少なくとも3000万台普及させる目標を打ち出した。

◆二酸化炭素排出量の開示へ
 自動車メーカーは、これまで主に燃費性能向上のために部品や素材を選んできたが、欧州自動車メーカーでは、製造から廃棄の全過程でCO2排出量の少ない部品や素材を重視する考え方が広まっており、自動車生産のあり方が変わってきた。帝人は、自動車メーカーに供給する部材の製造から廃棄まですべてのCO2排出量を開示することを決定した。ドイツの化学大手BASFも約4万5000点ある全製品のCO2排出量を開示すると発表。各企業の環境開示が加速している。この問題は自動車メーカーだけに限ることではない。

Text by 和田眞