カナダ、コンテナ69個分のごみをフィリピンから回収へ 両国で外交問題化

AP Photo / Bullit Marquez

 カナダ政府は5月22日、数年前にフィリピンに違法に輸送されたと同国当局が指摘するトラック何台分ものごみを、6月末までに回収すると表明した。

 カナダのキャサリン・マッケナ環境大臣は、一般的な家庭ごみや、電子機器や家電製品など電子ごみの詰まった69個のコンテナをカナダまで輸送するよう、フランスの物流最大手ボロレ・ロジスティクス・カナダに業務を委託したと発表した。

「再輸送に向けての準備は近日中に始まるだろう。カナダの安全衛生基準を満たすべく、廃棄物の回収は安全に処理されなければならない。そのため、回収は6月末までに完了させる予定だ」と、マッケナ環境大臣が率いる環境・気候変動省は声明の中で述べている。

                                                                                                                 

 ごみは、夏の終わりまでにはカナダに到着する予定である。

 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の報道官を務めるサルバドール・パネロ氏は、22日朝に記者会見を開いた。敵対的な姿勢をますますエスカレートさせているドゥテルテ大統領が、ごみをカナダ領域内に運ぶために民間の船会社を探すよう、当局に指示を出したと発表した。

「カナダが自分たちのごみを受け入れないのであれば、カナダの領海、つまり、カナダ本土の海岸にある基線から海へ12海里離れた水域内に放置するつもりだ。独立した主権国家であるフィリピンが他国民によってごみ扱いされることはあってはならない、という大統領の姿勢は理にかなったものであり、断固たるものである」と、パネロ大統領報道官は語る。

 フィリピン政府は、駐カナダ大使と領事らを召還した。カナダ政府が期限の5月15日までにごみの回収に応じなかったためである。

 これを受け、カナダのジャスティン・トルドー首相は、「問題の解決に向けてフィリピン当局と尽力して対応に当たってきた。速やかに解決できることを望んでいたが、まったく時間を与えてもらえなかった」と述べる。

 トルドー首相は2017年、カナダのごみの引き取りを阻止するための法的な問題は解決されたとしていた。22日には「この状況は受け入れがたく、あまりにも長い時間が経過している」と述べている。

 カナダもまた、責任を取るべき当事者を追及する方法を検討している。

 103個以上のコンテナが、ペットボトルやポリ袋、新聞紙、紙おむつなどの家庭ごみを積載し、2013年から2014年にかけてカナダからフィリピンに向けて輸送された。34個分はフィリピン当局によってすでに処理された。残りの69個のコンテナはほとんどが、マニラ港と北部に位置するスービック経済特別区にある港の2ヶ所に置かれ、環境保護活動家らの抗議運動を引き起こしている。

 フィリピン当局によると、コンテナはすべて、リサイクル可能プラスチックとして民間企業が誤って申告したものであり、カナダに対しごみを引き取るよう依頼したという。

 両国の関係者らがすでに解決策を協議していた2019年4月、ドゥテルテ大統領は演説のなかでごみの問題を取り上げた。この問題をめぐってカナダに「宣戦布告」する用意があることを明らかにした。

「ドゥテルテ大統領は、カナダがごみのコンテナ回収を著しく遅らせたことにより気分を害された。さらにこの問題についてのカナダの公式見解が、取るに足らないものであると深く失望している。明らかに、この問題についても我々の国に対しても、カナダは真剣に向き合っていない。カナダがこの国をごみ捨て場同然に扱っていることについて、フィリピンの人々は大きな屈辱を受けています」とパネロ大統領報道官は語る。

 カナダのクリスティア・フリーランド外相は、カナダ政府の動きによって議論が鎮まることを望んでいる。

「本日の発表によって大きな一歩を踏み出したと思う。もちろん、この問題を抜本的に解決するためのしかるべき配慮が求められていることを認識しながら、可能な限り速やかに対応しているところだ」と、フリーランド外相は22日に述べている。

 この論争は、ドゥテルテ政権下のフィリピンとカナダの間に生じた、新たな歪みであった。2018年、ドゥテルテ大統領は、数百万ドル規模の契約を無効にした。カナダからヘリコプター16機を購入するというものであったが、フィリピン軍が暴動を鎮圧するため攻撃に使用する可能性を懸念し、トルドー政権が取引を再検討すると決定したためだ。 

By ROB GILLIES AND JIM GOMEZ Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

Text by AP