銅のために電子廃棄物を焼却、ガーナの非公認リサイクル 健康問題も

Aline Tong / Shutterstock.com

 ガーナの首都アクラにある、アグボグブロシーのごみ集積所からは、有毒ガスを含む煙が毎日のように立ち昇る。

 もくもくと広がるその煙は、ガーナに多く存在する非公認の電子廃棄物リサイクル業者が排出したものだ。リサイクル業者は、不要になった電子機器を回収し、そこからケーブルを抜き取り、保護カバーを燃やして、その下にある貴重な銅を取り出している。

 生計を立てる方法としては、極めて危険なものだ。しかし、技能を持たない労働者でも簡単に実践でき、生活費を稼ぐために多くの者が手を染めるようになった。危険廃棄物に関する国際条約、バーゼル条約に基づき2011年に実施された調査によると、ガーナは年間約15万トンの中古電子機器を輸入している。

                                                                                                                 

 主にヨーロッパや北米からもたらされた廃棄物を漁る、非公認リサイクル業者の多くがそうであるように、アミン・イドリス氏もまたガーナ北部の出身だ。有毒な空気をかなり多く吸ってきた結果、イドリス氏は仕事のやり方を変える決意をした。

「以前、ケーブルを燃やしているときには、気分が悪くなっていました。だからケーブルを燃やすのではなく、ここに持ってくることにしました」とイドリス氏は言う。

 イドリス氏はアグボグブロシーのごみ集積所のなかで活動する非政府組織、グリーン・アドボカシー・ガーナに置かれている、電気ケーブルの絶縁体を剥ぎ取る機械のもとへ向かった。金属1ポンドあたり2~10セントの手数料を支払い、電気ケーブルを機械の刃の部分に挿入すると、その刃がプラスチックを切り開いて、中にある銅など金属製のワイヤーを簡単に取り出すことができる。

「ここでケーブルを切って開けると、燃やした場合よりも銅の質が良いようです。このように切って取り出した銅があれば、もっと高い報酬を得られるようになるでしょう」とアドリス氏は言う。

 ベネット・ナナ・アクフォ氏は、3年超にわたりグリーン・アドボカシー・ガーナを運営してきた。

 同氏は、「毎月、毎年、利用者はどんどん増え続けています。これはゆっくりとした進歩です。私たちが相手にする人々は、変化をなかなか受け入れられないことがあります。そのためゆっくりと、段階的に進んでいるのです」と語る。

 環境保護省は、ガーナの中心的な環境規制当局だ。プログラム長を務めるラリー・コトエ氏は「法律では、方法や形を問わず屋外での廃棄物の焼却を禁止しています。廃電子機器もその対象です」と述べている。

「しかし、電子廃棄物リサイクル業者に焼却を止めろというよりは、非公認業者がほとんどを占めるリサイクル業界を変えるべきだと言っているのです。この法律は、業者が電子廃棄物を安全に廃棄できるように、その能力を再構築し、設備を一新することを目指したものです」

 現在、アグボグブロシーのごみ集積所内で活動しているのはグリーン・アドボカシー・ガーナのみだが、ドイツ政府はガーナ政府と協力し、同地で診療所と電子廃棄物リサイクルの研修センターの建設を進めており、2019年初頭に開設する予定だ。

 ガーナ大学のジュリアス・フォビル教授によると、さらに多くのコミュニティがスタート段階から協力することで、グリーン・アドボカシー・ガーナのようなプロジェクトの効果は向上するという。「非公認業者の環境リテラシーは、今のところ非常に低い」と同氏は言う。

 フォビル氏は、アグボグブロシーに出入りする電子廃棄物リサイクル業者の健康面への影響について、長期的な調査を進めている。そのなかで、複数の業者を対象とし、2016年から2018年の間に血液検査と尿検査を行った。

 業者らには「呼吸器に問題が出る傾向があります」とフォビル氏は言う。

「症状には咳のような軽度のものから、COPDなど深刻な健康問題もありました。COPDというのは、慢性閉塞性の肺疾患です。また、リサイクル業者の中には、がんの増加など長期的な体調の異変が起こりやすくなっている例もみられました。彼らは様々な化学物質に晒されており、がんはそのどれかが原因となっています」

 ごみ集積所で稼げる月収は、推定285ドル。非公認リサイクル業者にとっては、大きすぎる代償だ。

By NEIL SHAW, Associated Press
Translated by t.sato via Conyac

Text by AP