モルディブ、有害ゴミでできた島

Andrea Izzotti / Shutterstock.com

著:Rezwan 温暖な気候と美しい自然を求めて、毎年約100万人の観光客が島国モルディブを訪れる。

 しかし、人口39万5000人のモルディブに観光客が加わることには負の側面もある。無分別のゴミの山は小国にとって頭痛の種だ。

 この問題に対処すべく、モルディブ政府は1991年12月、観光業から出る大量のゴミの最終処分地に島1つを当てることに決めた。ティラフシ島、別名「ゴミの島」は、元はティラファルというラグーン(訳注:サンゴ礁に囲まれた海域)で、長さ7km、もっとも浅い場所で幅200mあった。そこに巨大な穴を掘ってゴミで埋め立て、建設廃棄物で塞いだうえで一様に白い砂でならした。

                                                                                                                 


モルディブへようこそ!

 毎日平均330トンのゴミがティラフシに運ばれてくる。そのほとんどは首都マレからのゴミだ。一時は、年間トラック3万1000台分のゴミがティラフシに運ばれていた。島では屋外でのゴミ焼却もおこなわれている。

ティラフシで働くモルディブ人・外国人が何を吸い込むか考えたことある? 何が燃やされてるかわかったもんじゃない。

 現在ティラフシには0.43平方キロメートルの土地があり、造船やセメント詰め、メタンガスの封入や大規模倉庫などの産業に貸し出されている。

 ティラフシ島では使用済みバッテリーやアスベスト、鉛、固形ゴミに混ざっている有害物質が水に漏れだし、モルディブで深刻な環境・健康問題になっていることが環境団体ブルーピースのブログに書かれている。しかし、こうした懸念が地元活動家の運動となって現れてはいない。

ティラフシは間違いだった?20年経ったゴミがどんな状態か想像してみた?私たちの海は守れるのか?

 旅行共同プロジェクト、アトラス・オブスキュラのモーディーが問題点を説明している。

商業活動による無分別な投棄のせいで大量の有害物質がラグーンに持ち込まれた。壊れたドラム缶、アスベスト、鉛、家庭ゴミに混じった有害な金属類が有害なヘドロになっている。島の周辺で汚染を免れた場所はほぼない。有害物質は水に流れ出て、ゴミを燃やした煙も空中を漂っている。

 映像作家のアリソン・ティールは、自身のモルディブ滞在をドキュメンタリーにし、「アリソンの冒険」シリーズのひとつとしてインターネット上で公開している。目を見張るゴミの島の旅行写真はここでも見ることができる。

 ラグーンを漂流して外海へ流れ出すゴミが急増したのを受け、2011年12月に政府は島へのゴミ投棄を一時的に禁じた。しかしいまだに、マレで出るすべてのゴミが行き着く先はこの島だ。

 地元ニュースサイト、ミニバンの記事にAlibeyyaが書いたコメントは問題の核心を突いている。

モルディブの繊細な自然のために、責任ある廃棄物管理の仕組みが必要である。リゾートを含む個々の島が廃棄物に対処するには地理的要素が大きな課題になる。[…]ティラフシのラグーンに投棄せずに廃棄物を減らすために、リゾートも内部で処理できるようになるべきである。

2013年初めには、モルディブの廃棄物管理が地元政府によって妨害され、資金も不足していると報じられた。ティラフシの不法投棄に関する地元報道によると、ゴミ投棄の管理責任をめぐって大きな混乱があった。2010年にティラフシの管理はマレ市議会に移され、2011年には島の立て直しとゴミ問題の管理についてインド企業Tatva Global Renewable Energyと契約した。

しかし官僚制度と政府の干渉により、この契約は履行されないまま最近になって解約された。これによりティラフシの未来は不透明になった。

アブドゥラ・ファラツはミニバン・ニュースに意見記事を書いている。

第1に、政治的な理屈が述べられ嘘が弄ばれている裏では、現実問題が大勢の生活に影響している。公衆衛生汚染、子どもたちや教師の病院搬送、学校の閉鎖、排煙、悪臭など。

この危機を不満に思う権利が市民にはあり、当然の理由から怒り立ち上がる。

第2に、これは人為的な危機だが、市民から生まれるむき出しの感情の矛先がない。

はっきりしているのは、ティラフシ島に来月早々に新しい刑務所ができるということだ(訳注:原文掲載日は2014年10月24日)。


「100人収容可能なティラフシ刑務所が来月開所」


This article was originally published on Global Voices(日本語). Read the original article.
Translated by Yoshiki Oda
Proofreading:Yuri Yoshinori

Text by Global Voices