温暖化が自然界の「食事タイム」を乱している 新研究で判明

獲物のアオガラが早く飛来するようになったことで、その間食事にありつけなくなったハイタカ(AP Photo / Darko Vojinovic)

 地球温暖化が、複雑に設定された自然界の食事時間を攪乱し、しばしば野生動物を空腹に陥れ、獲物となる動物が全く異なる時期に出現する結果をもたらしている――新たな研究が、このような内容を示した。

 自然界において、タイミングは何より重要だ。花々は、受粉がうまくいくようにミツバチが周りにいるタイミングで開花する必要がある。猛禽類は、獲物の鳥と時期を合わせて渡りをする必要がある。ところが多くのケースで、地球温暖化がそのタイミングを狂わせている。科学者たちはそのように訴えた。

 この新研究では、88の種とその依存種を対象に、生物学上の行動タイミングについて、この分野のリサーチとしては初となるグローバルな大規模分析を行った。その結果、平均的な種は、過去10年間で約6日の割合で、このタイミングが一致しない方にずれてしまっていた。ただしいくつかの種のペアでは、このタイミングは過去よりも一致する方向に変化していた。

 従来研究では、ある特定の種のペアのみに焦点を当て、温暖化によって渡りや繁殖などのタイミングがどう変化したかを分析していた。しかし、4月16日に米国科学アカデミー紀要に掲載された新研究は、この「タイミング悪化問題」の焦点を、初めて地球規模にまで広げた。

 そして同研究は、このような生物の行動タイミングの変化は、1980年以前よりもはるかに大きくなっていると指摘した。

Text by AP