トランプ氏、出馬宣言を急いで墓穴? 急いだ理由と、その行く末は

Andrew Harnik / AP Photo

◆トランプ氏早期の出馬宣言の「ツケ」
 しかしその数日後、早くもトランプ氏が出馬宣言を急いだ「ツケ」が回ってきた。メリック・ガーランド司法長官は18日に記者会見を行い、1月6日国会襲撃事件とマーアーラゴの機密書類隠ぺい事件に関する特別顧問(検察官)を任命すると公表したのである。

 NBCニュースによると、ガーランド司法長官は特別顧問任命の理由として、トランプ氏が大統領選出馬宣言を行ったことを挙げている。つまり、バイデン大統領に指名されたガーランド氏自身ではなく第三者が捜査を行うことで公平性を保つためである。特別顧問に任命されたジャック・スミス氏は、コソボ紛争時の戦争犯罪を裁くオランダ・ハーグの特別法廷で首席検察官を務めていた人物で、ガーランド司法長官が見込んだ凄腕であることは間違いなさそうだ。特別顧問任命によりトランプ氏に関する捜査がスピードアップするという声もある。

 中間選挙後にアメリカ国内でトランプ人気が急下降していることを考えると、共和党がトランプ氏からデサンティス氏に完全に乗り換える日が来るのはそう遠くないだろう。トランプ氏が訴追されることを密かに願っていたとしても不思議ではない。

【関連記事】
「レッドウェーブ」なぜ不発? 世論調査とメディアが作った中間選挙の虚構
スキャンダルに発展 トランプ邸から出てきた「極秘文書」の中身
24年大統領選はニューサム対デサンティスに? 民主党支持者の64%「バイデン氏以外」

Text by 川島 実佳